ヨーロッパレッグの最終イベント『Cascais Billabong Pro』終了!
2013-10-27 更新

現地時間10月26日、ポルトガルのカルカヴェロスで開催されていたプライム『Cascais Billabong Pro』が終了。
今イベントはアゾレス諸島・サンミゲル島で開催されたプライム『Azores SATA Airlines Pro 2013』、ペニチェで開催されたワールドツアー第9戦『Rip Curl Pro Peniche』と併せたシリーズ戦「Portuguese Waves series」のラストイベント。
総合優勝で得られる50,000USドルと同時にトリプルクラウンの前に残された貴重なプライムでポイントを稼ぎたいクオリファイ&リクオリファイのギリギリラインにいる選手達を中心とした激しいバトルが繰り広げられていました。
会場のカルカヴェロスは首都リスボン近郊で、先日終了したばかりのウィメンズワールドツアーの最終戦と同じ開催地。
大西洋に対して大きく西側に向いて多方向のウネリを拾いやすいペニチェに比べ、南に向いた湾のような地形になっており、南〜西ウネリが入った時に真価を発揮する場所です。
ファイナルデイは期間中に通過したストームが去って朝から気持ち良い晴れと公式3-4ftレンジのクリーンなコンディションに恵まれていました。
ジェレミー・フローレス(FRA)、アダム・メリング(AUS)、ビード・ダービッジ(AUS)、CJ・ホブグッド(USA)、トラビス・ロギー(ZAF)などのトップ34のメンバーを抑えてファイナルのチケットを手にしたのは、ジャドソン・アンドレ(BRA)とコナー・コフィン(USA)でした。
ファイナルは序盤から積極的に波を掴んでスコアを重ねたジャドソンが主導権を握り、大きなフローターを中心としたライディングで6.50とハイスコアを塗り替えると次の波ではフロントサイドでディープなバレルをメイク。
これにパーフェクト10がコールされ、コナーをコンビネーションスコアに追い込んで最後まで付け入る余地を与えずにジャドソン(写真下)が圧勝!

「最高だね!オレにとってポルトガルは特別な場所なんだ。ISAのワールドチャンピオンシップで優勝したこともあるし、2009年はアゾレス諸島の成績でクオリファイを確実にしたのさ。好成績が必要だった今年、この場所で優勝して再び重要な結果を残すことが出来た。コンテストで優勝するってことは特別な瞬間。そのために多くのトレーニングを積み重ね、沢山のボードを試してきたよ」と久々に立った表彰台の頂点でシャンペンシャワーを浴びた後、ポルトガル語でスピーチをしていたジャドソン。
2007年、ポルトガルで開催された『ISA world champion』の18歳以下のクラスで優勝。
ASPではワールドツアーで2010年から3年間戦い、ルーキーイヤーのブラジル戦ではケリー・スレーター(USA)を倒して優勝も果たしているジャドソン。
怪我をきっかけにリクオリファイを逃した今シーズンはWQSから再びツアー復帰を目指していましたが、今回の優勝でワールドランキング15位まで浮上してクオリファイ圏内に入ってきたのはさすがです。
「これで一安心だね。でも、まだハワイでプライムが2イベント残っているから、早とちりはしたくない。ハワイには行くよ。そして、ベストを尽くすつもりさ。今年の目標はハワイの前に結果を残すことだったんだ」とジャドソン。
ハワイで開催される2つのプライムはトリプルクラウンの栄冠もかかっているため、通常のプライムより更にハードな戦いになります。加えてジャドソンのようにクオリファイを目指しているサーファーと来年もワールドツアーに残るために下位の選手が必死で挑むため、15位でもまだ油断は出来ないのです。

カリフォルニア出身の若手で今最も注目されているコナー(写真上)。Round of 16では元ワールドチャンピオンのCJを下し、イベントを通して見てもバレルとアクションの両方で際立ったサーフィンを披露。
ファイナル終了後のインタビューでは、「QFの時点でとても興奮してストークしていたよ。SFでスコアを得てファイナル進出を決めた時はもう優勝したかのような気分だったさ。ジャドソンは凄かったよね。確かに優勝はしたかったけど、あの状況だと難しい。でも、今回の結果はオレのキャリア最大。それに大きな自信になったよ」とコメント。
まだ20歳でジュニア枠のコナーにとってワールドツアーは一つ上の目標ですが、すでにワールドランキング36位という位置につけており、ハワイでの成績次第では早くもクオリファイが可能になってきました。
その件については、「正直、もう今年の目標は達成してしまったんだ。今のところオレにとってワールドランキングは重要では無い。でも、一つ一つのヒートでベストを尽くし、勝利を重ねたい気持ちは確かだし、サーフィン自体の向上も目指している。もし、再び大きな結果を残してWCTをメイク出来たら、最高だけどね」と話していました。

なお、シリーズ戦「Portuguese Waves series」は、第1戦で2位、第2戦で13位。そして今回の最終戦で5位に入ったアダム・メリング(AUS・写真上)が総合優勝を果たし、50,000USドルを手に入れました。
また、2013年のASPヨーロピアンチャンピオンはジェレミー・フローレス(FRA)が獲得。
唯一、日本人としてエントリーしていた大橋海人はRound of 96で3位敗退。
後半に2位まで浮上したものの、ヒート終了間際にブラジリアンのクリスティアン・キーマーソンに逆転され、ファーストラウンドで姿を消すことに...。
負けたとはいえ、世界での経験は糧となり、来年に繋がると思います。
大野修聖も再び世界に挑戦する2014年、日本人サーファーの活躍を期待しましょう!
さて、これでヨーロッパレッグが終了し、世界中の注目はハワイに集まります。
まずは10月29日から4スター『HIC Pro』が始まり、11月に入るとトリプルクラウンがスタート。
BCMでもフォローしていくので、お楽しみに!
プライム『Cascais Billabong Pro』結果
1位 ジャドソン・アンドレ(BRA)
2位 コナー・コフィン(USA)
3位 カルロス・ムニョス(CRI)、ジェレミー・フローレス(FRA)
『Cascais Billabong Pro』公式サイト
http://aspeurope.com/cascais/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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