『Billabong Pipe Masters』2日目 タイトル争いはファイナルデイに持ち越しに!
2013-12-11 更新

現地時間12月8日から開幕した『Billabong Pipe Masters in Memory of Andy Irons』は一日のレイデイの後、10日にR3から再開。
このラウンドからはトップシードが登場するため、初日よりも更に会場全体のボルテージがアップ!
この日は新しい北北西と西北西ウネリがヒットしたため、初日のバックドアメインから比べるとパイプラインの方が良いバレルが多くなり、R4ではリクオリファイをかけて戦っているヤディン・ニコル(ASU)がディープなパイプラインをメイクして今イベント2つ目のパーフェクト10をスコア。
昨年、トリプルクラウンのディレクターをリタイアしたランディ・ラリック(日本語放送ブースに登場)に言わせると「虹が出た日は波が良くなる」の通り、ハイスコア連発の素晴らしい一日になりました。
最終戦までもつれ込んだミック・ファニング(AUS)とケリー・スレーター(USA・写真最上部)のタイトル争い。
カレントリーダーのミックは3位以上、つまりSFに進出すれば、ケリーの結果に関わらず、その時点で3度目のワールドタイトルが確定。
ケリーがミックを逆転するには、まずミックがQF前に敗退。そしてケリー自身が優勝するのが条件。
過去6度もパイプラインを制しているケリーに対して、ミックは2002年から10年のキャリアで一度もパイプラインの優勝経験無し。ハワイで取材をしている「F+ SURF」のつのだゆきによると、ミック説濃厚。更に今年のケリーは今までのミラクルを起こす強さが薄れている感じがするとのこと。
BCMからの意見だと「勝負は水物」なので、今起こっていることが全て。その全てを見逃さないように日本にいるASPファンの方はぜひライブ中継に張り付いて欲しいと思います。

その主役のミック(写真上)、ケリー共にR3は難なくクリア。ミックは、カイマナ・ハキアス(HAW)、ケリーはミッチ・クルーズ(AUS)を共にコンビネーションスコアに追い込んでまずは快勝。
しかし、次の3人ヒートのR4(1位はQFへ。2位と3位はR5へ)では、ミックがジョン・ジョン・フローレンス(HAW)に抑えられてR5行きを強いられたのに対してケリーは1位通過でQFへ。
ミックよりも先に進み、精神的にアドバンテージを得たことになります。
「今朝はコンディションのことが心配だった。コンテスト前にジョン・ジョンと波を分け合っていたんだけど、多分今日はやらないか、数時間後にベターになってからだろうなと思っていたんだ。いざコンテストが始まり、オレのヒートになるとエネルギーがオレの元にやってきた感じがした。オレはこのヒートを勝ち上がらないといけない。これは避けられない気持ちだったし、現状。でも、その気持ちでパフォーマンスが変わる訳ではなく、ただ波に乗ることに集中していたよ」とケリー。
R4では昨年トリプルクラウンを獲得し、初日にパーフェクト10をメイクしたシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)が主導権を握っていましたが、ケリーはバックドアで8.83をスコアし、ニード5.67のシチュエーションで慎重に波を待つ作戦。後半に入ったセットもシーバスとミゲル・プーポ(BRA)に譲り、最後に入ったパイプライン側の波で最高のテクニックを駆使してディープなバレルをメイク。これに8.73がコールされ、見事にトップ通過。
この一連の動きは、ケリーならでは。R3、R4の戦い方を見る限り、やはりケリーのこの場所での戦い方はミックより上と言えるでしょう。

タイトル獲得には優勝しかないケリーにとってはミックよりも怖い存在なのは、ジョン・ジョン(写真上)なのかもしれません。
R3では初日にパイプラインでディープなバレルと特大のアーリーウープをメイクしたガブリエル・メディナ(BRA)を見事に倒し、R4でもバックドアとパイプラインの両方で素晴らしいバレルライドを披露。
このブレイクの目の前で育ったジョン・ジョンにとってパイプラインマスターズの称号をそろそろ欲しい時期。
今年は『Volcom Pipe Pro』の優勝以来、怪我の影響もあり目立った成績を残していないため、最後に一旗揚げたいところでしょう。
「ガブリエルとのヒートが決まった時、ナーバスになったよ。彼が昨日のヒートで8ポイント以上のライディングを連発し、やばいエアーをしていたのを見ていたからね。ちょっとビビっていたかな。今日みたいなパイプの日は、波を選び過ぎてはいけない。1本の良い波を乗る前に10本は手を出すべきなんだ。最後にバックドアでメイクした波はパーフェクトだった。最初のセクションを抜けてからは波が完璧過ぎて簡単だったよ」と話していたジョン・ジョン。
R4通過後、ハレイワ、サンセット、パイプラインでの総合成績で決まるトリプルクラウンも狙える位置までランキングをアップさせています。

R3で同郷のタジ・バロウ(AUS)を抑え、R4では今イベント2本目の10ポイントを叩き出し、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、CJ・ホブグッド(USA)を相手にトップ通過でQF行きを決めたヤディン(写真上)
10ポイントライトに関しては、「このパイプを僅か数名でサーフィン出来る。こんなチャンス滅多にないんだから、とにかく沢山の波に乗ったよ。パーフェクトな波が入った時、エキサイトする気持ちが半分で、残りの半分は考えてしまう。無駄にしないようにテイクオフし、バレルに少しエキサイトしながら手を上げて出てきた。ヒートを通過出来てエキサイトしているし、凄い良い波だったよ」とコメント。
ヤディンのすぐ隣にいながらもプライオリティの関係からテイクオフ出来なかったCJは悔しかったことでしょう。
次のセットを乗ったCJも綺麗にバレルをメイクしたものの、直前のヤディンの10ポイントライドが余りにも見事だったため、6.17とスコアが伸びなかったのですから...。
昨年、初めてパイプラインマスターズの称号を手に入れ、同時にワールドタイトルも獲得したパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)ですが、今年はワールドタイトルもトリプルクラウンも圏外のため、リラックスしてイベントを楽しんでいる様子。
選手の控え室でカイ・オットン(AUS)とおどけている場面もフォーカスされていました。
それでも、R3ではリクオリファイがかかっていたダスティ・ペイン(HAW)を倒してしまい、勝利後にも関わらず表情は冴えず...。
「波はあったけど、全てをメイクすることは出来なかった。ツアーの中では、友人と戦わなければいけない時がある。ダスティにはもっとツアーを回って欲しかったよ。嫌な気分だね。彼は才能があるし、良い奴なんだ。それに良い友人さ。ダスティには、オレはハッスルするつもりは無いし、プライオリティもいらない。彼のために波も探していたんだ。多分これだろう思う波に乗っていたけど、積極的に勝つつもりはなかった...。パイプマスターズに関しては優勝出来るチャンスなんてそんなに無いから、今はそれを目指さないといけないね」と話していました。
ネクストコールは現地時間11日の早朝6時30分。
(ライブ中継は日本時間12日の早朝〜お昼前)
予報では現地時間13日〜14日(日本時間14日〜15日)に新しい西よりのウネリが入り、ファイナルデイが行なわれる予定です。
なお、今年も公式サイトでは日本語でのライブ中継が配信され、脇田貴之、堀口真平、辻裕次郎の3MCプラスゲストを交えて今年最後の大舞台を盛り上げています。
この日は文中にもある通り、ランディ・ラリックや、今年のJPABグランドチャンピオンであり、パイプラインのイベントで常に上位に食い込んでいる畠山美南海などのゲストが登場してここでしか聞けない話も。
ファイナルデイは間違いなく盛り上がるので、ぜひ日本語でのライブ中継をチェックしてみてください!

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photo: ASP Covered Images
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