『Volcom Pipe Pro』を制したのはあの男だ!
2014-02-06 更新

今シーズン初の5スターイベント、『Volcom Pipe Pro』が現地時間2月5日に終了。
1月26日から選び抜かれた3日間の中でファイナルデイは最もサイズがあり、パイプライン/バックドア共にバレルを狙えるグッドコンディション。
いつもなら大混雑が必至となるこの波を一番楽しんだのはRound of 32で唯一のパーフェクト10をスコアし、その他にもトップ10ウェーブスコアを次々と塗り替えて最後には過半数を占めてしまったケリー・スレーター(USA・写真最上部・下)でしょう。
3連連続で今イベントを制していたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がRound of 64で早々と敗れ、次の砦となるジェイミー・オブライエン(HAW)もRound of 32で敗退。
ファイナルデイはケリーの強さだけが際立ち、ファイナルも圧勝でした。
「オレの人生の中でもベストなパイプだった。とても素晴らしく、パワフルだったよ。今朝はクセがあり、一気にダブルアップしてくる波。新しく入ったスウェルはちょっと不安定だったけどね」とケリー。

4人ヒートのファイナルは開始のホーンと同時にケリーがバックドアにテイクオフ。バレルを抜けてから綺麗なカットバックを決めて9.53。6.17のバックアップスコアも重ね、トータル15.70。早々と主導権を握ります。
中盤にメイソン・ホー(HAW)が7.73をマークして追い上げる場面もありましたが、後が続かず...。
後半はエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)がディープなバックドアをメイクして8.43。ファイナリストで唯一のグーフィーフッター、ウィゴリー・ダンタス(BRA)がパイプラインで8.27をマークするものの、共にコンビネーションスコアを脱出しただけでケリーを脅かすことは出来ず、ケリーが逃げ切る形で優勝を決めたのでした。
昨年のパイプマスターズではファイナルでジョン・ジョンを倒して2008年以来、7度目のマスターズの栄冠を手に入れていたケリー。
子供の頃から通っているこの波に関しては、ローカルよりも知識があると言っても過言では無く、スウェルの向きや間隔、風などの様々な条件を考慮した上での序盤の狙いすましたようなスコアの重ね方はさすがとしか言いようがありません。
「オレが12歳の頃、ここに来たことを覚えているよ。1984年、ジョーイ・ブランがパイプマスターズで優勝した翌朝に彼と会ったんだ。その時のことを思い出した。ここに来て見た最初の波はスピットが吹き出すバレル。あれを見た時、大きなドアが開かれた気持ちだった。まさにパイプラインと恋に落ちた瞬間。あれからずっと大好きな波だし、チャレンジに終わりもないよ。今日はまさに求めていた波だったけど、思う通りにはいかなかったさ」とケリーはパイプラインについての思いを語っていました。
ちなみにケリーは2月11日で42歳。ワールドツアー24年目の今年もタイトル争いに絡んでくることでしょう。

なお、今イベントには昨年QF進出を決めた大野修聖を始め、「VOLCOM SURF TEAM」として田嶋鉄兵、村上舜、加藤嵐。「HURLEY TEAM」の大橋海人、大原洋人。アメリカ国籍ながら喜納海人がエントリー。最高位はRound of 32まで進んだ大橋海人、喜納海人の25位でした。
ASPは今イベントを境にオーストラリアレッグに移行。初戦となる6スター『Hurley Australian Open』が2月10日〜16日にシドニー近郊のマンリーで開催されます。
今シーズン初の6スターにジュリアン・ウィルソン(AUS)、カイ・オットン(AUS)、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)を始めとしたトップ34のメンバーも多数エントリー。日本からは大橋海人、大原洋人、大澤伸幸、加藤嵐、新井洋人、仲村拓久未、辻裕次郎がクレジット。
ウィメンズ、ジュニアも併催されるビッグイベントはBCMでもフォローしていくのでお楽しみに!

5スター『Volcom Pipe Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ウィゴリー・ダンタス(BRA)
3位 メイソン・ホー(HAW)
4位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
『Volcom Pipe Pro』公式サイト
http://www.volcompipepro.com(PC用)
photo: ASP Covered Images
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