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新体制のASPワールドツアー開幕戦を制したのは?

2014-03-12 更新
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アメリカ資本の新体制&新しいスポンサーと共にルール変更や賞金額まで上がり、更にプロスポーツらしくなった2014年のASPワールドツアー。
様々な意見があった開幕戦ですが、選手達が世界中から選ばれたベストスポットで最高のパフォーマンスを披露するという根底は変わらず、初日からファイナルデイまで素晴らしいショーが楽しめたイベントでした。

会場となったオーストラリア・ゴールドコーストのスナッパーロックスは前日よりコンスタントにセットが入るコンテストに相応しい波。
『Quiksilver Pro』のR4からスタートし、SFとファイナルを残していた『Roxy Pro』を含め、合計18ヒートをこなしたマラソンデイには番狂わせもあり、QFでは昨年のワールドチャンピオン、ミック・ファニング(AUS)と今イベントのディフェンディングチャンピオン、ケリー・スレーター(USA)が敗退する場面も...。

ファイナリストに選ばれたのは、ローカルのパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)とブラジリアン初のワールドチャンピオンを目指すガブリエル・メディナ(BRA)の二人。
ファイナルはオープニングライドでバレルから独特のリラックススタイルでターンを重ねたパーコが9.00をスコア。更に6.83を重ねて序盤から主導権を握ります。
中盤、パーコはインサイドでサーフボードを折ってしまうハプニングがありましたが、すぐにスペアのボードを手に入れ、その感触を試すが如く再びバレルをメイク。7.27とバックアップスコアを伸ばし、ガブリエルをニード9.27に追い込みます。
日没間際、ビーチに集まった多くのファンがパーコの勝利を確信したと思いますが、後半、ガブリエルはエアリアルを封印した強烈なバックハンドで8.50を返して差を縮めると更に7.83を重ねて土壇場で逆転に成功!
パーコはニード7.33。決して無理なスコアでは無かったものの、再逆転はならず、ガブリエル(写真最上部・下)がグーフィーフッターでは2004年のミック・ロウ以来の優勝を決め、歴史に名を刻みました。

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「グロム時代からここで優勝するのが夢だった。ビデオや雑誌で見ていた人達と戦うチャンスがあった今日、それを逃すことはしたくなかったよ。とてもおかしな感覚だったけど、勝てて最高の気分さ」とガブリエル。
さらに「自分自身を誇りに感じるよ。あのパーコに勝てたなんて人生最高の日だね。今日はオーストラリアンよりもブラジリアンの方が多いんじゃない?」と勝利の喜びを語っていました。

ガブリエルが優勝してビーチに上がる頃にはまるでサッカーの試合のように国旗を持った沢山のブラジリアンが彼の元に集まり、熱狂、興奮。前記したケリーをQFで倒した相手もブラジリアンのエイドリアーノ・デ・スーザだったこの日、ブラジリアンのパワーに世界中のASPファンが圧倒された一日でもありました。

昨年は開幕戦での怪我が響き、トータル14位とキャリア最低の成績に終わったガブリエル。
心機一転迎えた開幕戦では父親が見守る中、R4、QF共にミックを倒し、SFでは好調だったタジ・バロウ(AUS)にも競り勝ってファイナルへ。派手なエアリアルだけで無く、今回のようなレールワークでの勝負、「スピード、パワー、フロー」のジャッジクライテリアで最後はパーコさえもノックダウン。

20歳にして早くもワールドツアー3勝目を決めたガブリエル。前回優勝した2011年のサンフランシスコでの『Rip Curl Search』でもファイナルでパーコと対戦して勝利しており、今回の再戦でパーコとの相性が良いと証明された形。
まだ気は早いですが、今年はガブリエルを始めとしたトップ34の中に7名もいるブラジリアンがタイトル争いに絡んでくるのかもしれません。

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ローカルナレッジを最大限に活かし、2年連続のファイナル進出を決めたパーコ(写真上)
昨年はキラでのバレル勝負でケリーに抑えられ、今年はスナッパーロックスでのターン勝負で敗退。
それでも2位という結果はこれから始まるタイトルレースに向けて大きなサポートとなるのは間違いありません。

「2年連続の2位は残念だけど、素晴らしい年のスタートだとも言えるよね。開幕戦の結果はワールドタイトルに必ずしも左右されないと前に話したことがあるけど、昨年はベルズでの惨敗が無ければタイトルの可能性もあった。今年の改善点はそこさ。ガブリエルの才能は凄いよ。優勝にふさわしいし、今日のサーフィンも爆発していた。おめでとうと言いたいね」とファイナル終了後のインタビューに答えていました。

 
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『Roxy Pro』はSFでカリッサ・ムーア(HAW)をコンビネーションスコアで下したステファニー・ギルモア(AUS・写真上)が勢いを維持し、8.80を含むトータル15.50 vs 10.47で初のファイナル進出となったビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)を抑えて優勝。

「この感覚は久々ね。家族や友人がいるこの場所でハイタッチをしながら喜べるのは最高だわ」とステファニー。

『Roxy Pro』のファイナルは『Quiksilver Pro』よりも前に行なわれたため、ここまで好調さをキープしていた同郷のパーコの元へ。「ジョエルは良いバレルを沢山手に入れていたから、ヒート前に彼のグッドバイブを得たかったの。ファイナルの30分は’良い波を2本乗って、ただ楽しむこと’私が行なったのはそれだけよ」とコメント。

事実上のファイナルと言われていたカリッサとのSFの件は、「カリッサに勝ったことが大きな自信になったわ。長く、厳しいシーズンが想像出来るけど、タイトルを獲得するために私は全力を尽くす」と話していました。

南アフリカのビクトリアベイで育ったビアンカ(写真下)の台頭を含め、今シーズンもトップ17は才能の宝庫。
新体制になったASPはウィメンズにも力を入れ、フィジー、トラッセルズ、ホノルアベイと魅力的な場所でのイベントも増加。メンズとの併催も増えるため、彼女達は彼らと同じ海でセッションし、それが更なるレベルアップにも繋がると思います。
これから12月まで続く2014年のASPワールドツアー。
BCMでもフォローしていくので、お楽しみに!

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ASPワールドツアー第2戦は4月2日〜13日にWA(ウェスタンオーストラリア)のマーガレットリバーで開催される『Drug Aware Margaret River Pro』
プライムからの格上げでウィメンズと併催になります。

ASPワールドツアー第1戦
『Quiksilver Pro』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 タジ・バロウ(AUS)、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
5位 C.J・ホブグッド(USA)、ミック・ファニング(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、ミゲル・プーポ(BRA)

ASPウィメンズワールドツアー第1戦
『Roxy Pro』結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)
3位 レイキー・ピーターソン(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 コートニー・コンローグ(USA)、マリア・マニュアル(HAW)、タイラー・ライト(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)

ASP公式サイト
http://www.aspworldtour.com/(PC用)

photo: ASP Covered Images

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