『Rip Curl Pro Bells beach』ジョン・ジョンが10ポイント!
2014-04-22 更新

オーストラリアレッグの最終ラウンドとなるASPワールドツアー第3戦『Rip Curl Pro Bells beach』が開催中のビクトリア州のベルズビーチ。
イースターサンデーから一夜明けた現地時間4月21日は公式3-5ftレンジの新しい南西ウネリが入り、ボウルズを舞台にメンズのR3が進行。
H10終了後は潮が動くのを待ちオンホールド。H11からはリンコンに舞台を移動してそのままR4の4ヒートも行なわれ、16ヒートをこなすマラソンデイになりました。
朝の潮が引いている時間帯は波数が少なく、厳しい戦いを強いられていましたが、オープニングヒートでは、タジ・バロウ(AUS・写真下)がルーキーのミッチ・クルーズ(AUS)を経験の差で抑え、まずは一枚目のR4のチケットをゲット。
H2にはディフェンディングチャンピオンのエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)が登場。
前日、メンズのR1で唯一の9ポイント台を出していたエイドリアーノは後輩ブラジリアンのフィリッペ・トレドを相手にフルレールのパワフルなライディングを披露。スコアは伸びなかったものの、彼のスタイルになりつつあるレイバックも綺麗にメイクしてエアリアルで対抗してきたフィリッペを敗り、R4へ。

R2でミシェル・ボウレズ(PYF)が早々と敗退し、マーガレットリバーとは違う空気が流れていると感じさせたベルズ。
マーガレットリバーでミシェルとファイナルを戦ったジョシュ・カー(AUS)もこの空気には逆らえず、アダム・メリング(AUS)のパワーサーフィンに抑えられ、次に進むことは出来ず...。
エイドリアーノ、アダムとレールワークに特化した選手が勝ち上がる展開でしたが、ガブリエル・メディナ(BRA)とジョン・ジョン・フローレンス(HAW)のトップ34を代表するヤングガンはレールワークのプラスαとしてエアリアルを上手く取り入れ、最高のエンターテイメントを披露してラウンドアップ。
彼らが見せたフルローテーションエアーは高さ・完成度共に完璧に近く、ギャラリーを熱狂させていました。
二人の若い選手の活躍の後に登場したケリー・スレーター(USA)は、マーガレットリバーの時のクワッドフィンからトライフィンのセットに変え、いつものように集中してからパドルアウト。ヒートでのハイスコアはグレン・ホール(IRL)に奪われたものの、トータルでは7ポイント台を2本キッチリとまとめてラウンドアップ。

パーコことジョエル・パーキンソン(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)が勝ち上がり、H9ではジョーディ・スミス(ZAF・写真上)がシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)とフロントサイド同士のカービング勝負。共に9ポイント台を出すクロスゲームの末、ジョーディがR4へ。
シーズン2年目、なかなか結果が残せないシーバス。決してライディングは悪くないので、今後はどこかで活躍の場が出てくるでしょう。
その他にもR3ではジュリアン・ウィルソン(AUS)とミック・ファニング(AUS)が9ポイントを出してラウンドアップ。
グーフィーフッターでは3人目となるフレッド・パターチア(HAW)も昨年のファイナリスト、ナット・ヤング(USA)を抑えて次に進んでいました。
「シーズン初め、特にスナッパーでの結果は消化出来ない気持ちさ。今年最初のイベントでジャッジが何を期待していたのが分からなかったんだ。でも、ここはベルズ。伝統的な波。フェイスにビッグカービングを描くことが必要なのは言うまでもないよね」とミゲル・プーポ(BRA)を倒したジュリアンはコメント。
今シーズンは開幕から期待されながらも2戦続けてR3敗退のジュリアン。シーバス同様にライディング内容はしっかりしているため、結果は自ずとついてくるでしょう。

3人ヒートのR4は敗者が出ない(1位はQFへ。他2名はR5へ)ため、各選手リスキーなライディングをしやすい一方、ここで勝つのとR5を戦うのはファイナルデイの体力に影響してくるため、特にケリーのような年を重ねている選手にとってはスキップしたいラウンドでもあります。
全てのヒートが豪華と言える中、特にH2はケリー、ジョン・ジョン、ガブリエルのゴールデンカードとなり、この日のハイライトになりました。
ここで爆発したのがジョン・ジョン。序盤に厚いセクションを上手く繋ぎ、フィニッシュにローテーションエアーをメイクして8.00をスコア。中盤はじっくりと波を待ち、まずはビッグレイバックで7.60をスコア。3位から一気にトップに立つとすぐにセットを掴み、パドルアウトするガブリエルの目の前で信じられないような高さにひねりを加えたフルローテーション(写真最上部・上)に最後は止めのレイバック。このライディングにパーフェクト10がコールされ、ケリーとガブリエルをコンビネーションに追い込んで圧勝!
「勝てて本当に気分が良いし、ハッピーだよ。ヒートに向かう時はナーバスになっていたんだ。ケリーとガブリエルが怖くてね。でも、最初に波を掴んだ時、ナーバスな気持ちは吹っ飛んでいたのさ。テイクオフしてセクションを見つけたら後は飛ぶだけ。風を利用して完璧に回転することが出来たんだ。いくつかのヒートをメイクしてQFまで進めたのはとてもハッピーだよ」とR4通過後のインタビューに答えていたジョン・ジョン。
ジョン・ジョンがメイクしたフルローテーションは以前にケリーが10ポイントをスコアした形に似ており、難易度は間違いなく最高ランク。この勢いが続けばジョン・ジョンを止められる選手は居ないでしょう。
ちなみにパーフェクト10が出るのは今シーズン初。トップ34の中でも10ポイントのスコア率が異常に高いジョン・ジョン。勝ち負けよりもこの彼の才能に引寄せられてしまうファンが多いのも頷けることです。

ジョン・ジョンに刺激されたのか、珍しくエアリアルを多用していたパーコ。
成功率も高く、8.93を含むトータル16.66でジョーディ、オーウェンを抑えてQFへ。
QF進出を決めた後のインタビューでは、「ほとんどのイベントでリズムを掴むのに少し時間がかかるんだけど、ここはちょっと違う。ベルズは大好きだし、あと3ヒートを残すだけ。あと6本波に乗り、3ヒートを勝つ。シンプルな気持ちで挑むよ」とコメント。
ベルズでは過去3回の優勝経験があるパーコ。これはサニー・ガルシアに並び、あと1勝すればケリーとMRに並ぶ偉大な記録です。
その他にR4を1位通過したのはタジ、ミック。
ネクストコールは現地時間4月22日の朝7時00分(日本時間の同日6時00分)
予想では22日の午後に新しい南西ウネリが入り、24日にピークを迎える見込み。
風向きを考慮すると23日がベストコンディションになりそう。
ASP公式サイト
http://www.aspworldtour.com/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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