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『Quiksilver Pro France』初日 ケリーとウィルコが波をシェア!?

2014-09-27 更新
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フランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグのファーストイベント、ASPワールドツアー第9戦『Quiksilver Pro France』が現地時間9月26日に開幕し、R1の全12ヒートが終了。

会場のフランス南西部・ホセゴーは、ウィメンズワールドツアー第8戦『Roxy Pro France』のR1からR3までが行なわれた前日よりもウネリがまとまり、公式ヘッドプラスのセットに前半はオフショアで整ったクリーンなファンウェーブ。
風の影響が入った後半も良質なサンドバーのおかげでまずまずのコンディションをキープしていました。

3人ヒートのR1(1位はR3へ。2位と3位はR2へ)はファーストヒートから激しい戦いとなり、まずはタジ・バロウ(AUS)がトラビス・ロギー(ZAF)とフレッド・パターチア(HAW)の二人のグーフィーフッターを相手に3位から土壇場でトップに立ってラウンドアップ。
続いてミシェル・ボウレズ(PYF)がエアーリバースで対抗してきたブレット・シンプソン(USA・写真下)、シーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)を相手にパワーサーフィンで押し切り、圧勝。

「このイベントは最高のスタートになったね。フランスは第二の故郷みたいな場所だから、とても居心地が良いんだ。今日は良い波だし、ヒートでは進歩的なサーフィンにトライした。勝利にストークし、全てのサポートに感謝しているよ」とR1通過後のインタビューで話していたミシェル。

彼の十八番はパワーサーフィン。このヒートでもスタイルを変えることはありませんでしたが、最後は珍しくバックハンドでのエアーリバースを披露して見事にメイク。エアーは出来ない訳ではなく、やらないだけ。このライディングは5.60。ターンだけで出したベスト2スコアを上回ることは無く、ミシェルは今日のような波でジャッジが好む傾向を探ることにも成功したようです。

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H3ではツアーで唯一のフランス国籍、ジェレミー・フローレス(写真最上部)が久々にR1をクリア。看板ライダーだったケリーが「Quiksilver」を去ってジェレミーに期待がかかる中、ミック・ファニング(AUS)を倒しての1位通過は大きな意味があると思います。

「最悪の年にも関わらず、ヨーロッパの人々、特にフランス人は大きなサポートをしてくれている。ここに来ることで更にモチベーションは上がっているよ。与えてくれたサポートのお返しがしたいね」とジェレミー。

ジェフリーズベイでジャッジに抗議して罰金と8月末までのコンテスト出場停止処分を受けていたジェレミーは、復帰第一戦となったカリフォルニアでR2敗退。今年はR3から先に一度も進んでいなく、ランキングも33位と低迷。自身のスポンサーが主催するイベントで結果を残したいとこでしょう。

「自分にとって重要なイベントなんだ。フランスでは良い結果を残したことが無いし、今シーズンはそれを変えてみたい。こんなコンディションで尊敬するミックに勝てて凄い自信になったよ。ホームタウンのサポート全てに感謝している」と話していました。

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続くH4ではパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)がいつものリラックススタイルで危なげない勝利を収め、H5にはランキング2位のケリー・スレーター(USA・写真上)が登場。

対戦相手はウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)とワイルドカードのマット・バンティング(AUS)で、序盤はマットがリード。追い込まれたケリーはオープンフェイスの切れ目からテイクオフして高さのあるエアーリバースをメイク。その先ではウィルコがテイクオフし、バックハンドでパワフルなリップを披露。この波はウィルコが優先権を持っていましたが、ジャッジはインターフェアをコールせず、お互いにスコアが加算されることに。波をシェアした形となり、ケリーが9.00。ウィルコが8.00。しかし、ケリーはバックアップスコアを伸ばせず、僅差でウィルコがR3へ。

「出来るだけランキング下位に留まることにしているよ。だって、その方がケリーや他のトップシードの選手と対戦出来る。ウェブキャストでも注目されるからね」と冗談を言っていたウィルコ。
例年のようなバレルが姿を現していない今年のホセゴー。武器であるバックハンドがハマればR3以降もチャンスはありそうです。

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早ければヨーロッパレッグでブラジリアン初のワールドタイトル獲得が決まるガブリエル・メディナは、ティアゴ・ピレス(PRT)、ワイルドカードのデーン・レイノルズ(USA・写真上)を相手に確実にスコアを重ね、7ポイント台を4本。トータル15.17で後半に追い上げてきたティアゴとデーンをかわしてラウンドアップ。
2012年にワイルドカードで出場した時はケリーとファイナルを戦って2位になったデーン。R1を見る限りではキレが足りない印象でしたが、R2のケリーとのカードは注目と言えるでしょう。

「ハードなヒートだったよ。デーンとの対戦はいつも恐ろしいし、ティアゴは今日のような波で経験豊富。気分は良いね。ボードの調子が良く、オレのサーフィンを強くしてくれる感じ。自分にとってフランスは特別な思い出が沢山あるんだ。’King of the Groms’を制し、初めてWCTで優勝した場所さ。もっと良い思い出が出来ればと願っているよ」とガブリエル。

ケリーより先にR3行きを決めたことでアドバンテージが出来たガブリエルですが、まだ20歳の彼にとってワールドタイトルにかかるプレッシャーは計り知れない重圧。正念場はこれからです。

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ガブリエルの勝利の後は先輩ブラジリアン、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)がパーフェクトなレールワークでこの日のハイエストスコア9.03をマークしてR3へ。
ミシェル、ジョーディ・スミス(ZAF・写真上)、エイドリアン・バッカン(AUS)もそうですが、スピード、パワー、フローのジャッジクライテリアに沿えばエアー無しでもハイスコアを出して勝ち上がることは十分可能なのです。

そんなエイドリアーノ、ミシェル、ジョーディの対極、ジュリアン・ウィルソン(AUS・写真下)、コロヘ・アンディーノ(USA)、ジョシュ・カー(AUS)などのエアーを武器にしている選手は風の影響が入ってきた後半のヒートに重なったこともあり、回転系のエアーをベースにスコアを伸ばしてラウンドアップ。

今シーズンはベルズでの3位を除くとR3止まりのランキング17位。ルーキーイヤーからトップ10をキープしてきたジュリアンにとっては最悪のシーズンになっています。

「今年はあっさり敗退することが多いんだ。転機が訪れず、イライラが募るばかりさ。でも、先週はジョーディが変わったでしょ。今週はオレの番かな」とコメント。

タイトル争いの一方で、ランキング下位の選手にとってはリクオリファイの問題が切実になる時期。
そのラインは22位以上。もしくはWQS10位以上。ジュリアンはまだ安全圏ですが、WQSの方ではランク外のため、まだ安心は出来ません。

ネクストコールは現地時間9月27日の午前7時30分(日本時間の同日午後2時30分)
オフシャルフォーキャストの「Surfline」によると新しい西北西ウネリが入る予報。

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ASP公式サイト
http://www.aspworldtour.com/(PC用)

photo: ASP Covered Images

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