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『Quiksilver Pro』&『Roxy Pro』開幕!

2015-02-28 更新
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ブラジリアン初のワールドチャンピオンが誕生した2014年の最終戦から約2ヶ月。
ASP(アソシエーション・オブ・サーフィン・プロフェッショナル)改め、WSL(ワールド・サーフィン・リーグ)として再出発した2015年のWCT開幕戦が毎年恒例のオーストラリア・ゴールドコーストのスナッパーロックスでスタート!
現地時間2月28日、『Quiksilver Pro Gold Coast』並びに『Roxy Pro Gold Coast』のR1が終了しました。

これから春に向かう北半球と対照的に南半球のオーストラリアは晩夏。トランクスオンリーで入れる暖かな海にギラギラと照りつける太陽。まだまだ寒い日本から見ると羨ましくもある舞台。
敗者が出ない初日(R1は1位がR3へ。2位と3位がR2へ)は選手達もナーバスにならず、ライブ中継を通して選手達の笑顔が数多く配信されていました。

サイクロン「マルシア」の影響で今夏一番のコンディションに恵まれていた先週と比べるとサイズダウンして公式3-4ftレンジ。MCが’レールゲーム’と称したようにマニューバーに重点が置かれ、世界のトップサーファーが美しいレールワークを披露。

昨年、ブラジリアン初のワールドタイトルをケリー・スレーター(USA・写真下)の最年少記録と並ぶ20歳にして獲得したガブリエル・メディナ(写真最上部)は、ルーキーのウィゴリー・ダンタス(BRA)とスポンサーワイルドカードのデーン・レイノルズ(USA)と対戦。
序盤から彼らしい落ち着いた試合運びで主導権を握り、後半に素晴らしいバックハンドでのターンを披露したウィゴリーに逆転される場面はあったものの、終了間際に9.50をスコア。18.30のハイエストヒートスコアをマークしてラウンドアップ!

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「ウィゴリーとの対戦はタフになると思っていた。ここ数年見ていたけど、彼のバックサイドのサーフィンは手強いからね。ボードの調子も良さそうだし、スコアも出ていたでしょ。最後に逆転出来て良かったよ」とガブルエル。さらに「スコアを上げるために大きな波を見つけていた。最後の波もセットだったし、良いウォールにターンが出来た。ラッキーだったとも言えるよ」とコメント。

今イベントのディフェンディングチャンピオンでもあるガブリエルですが、昨年との大きな違いは彼を取り囲むファンの数。インタビュアーのピーター・メルもその件についてマイクを向け、「まるでブラジルみたいさ。ここにはブラジリアンが沢山住んでいるからね。良いサポートもしてもらっているよ」とガブリエルは返していました。

インタビューの後も大きな歓声を上げるファン。ブラジルに初のワールドタイトルを持ち帰った空港では沢山のメディアに囲まれたほど。明らかに変わった周囲とは裏腹にマイペースな彼のスタイルは変わらない印象。
ちなみにガブリエルは今年もギリギリまでノースショアに滞在して他の選手と距離を置いて調整。約1週間前に現地入りしたそうです。

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初日にブラジリアンで勝ち上がったのはガブリエルのみ。ウィメンズを合わせると総勢10名と恐らく過去最高の人数が揃ったハワイアンの活躍が目立ち、ケリーを倒したフレッド・パターチア(写真上)、開幕戦初の9ポイント台を出したジョン・ジョン・フローレンス、後半に9.67のハイエストスコアをマークした返り咲き組のダスティ・ペイン、セバスチャン・ズィーツ。
ルーキーのキアヌ・アシングを除くとメンズは全てのハワイアンが1位通過でR3へ。

「新しい年を勝利でスタート出来てハッピーだね。みんな一斉にゼロからのスタート。オフシーズンの間に取り組んでいたことをジャッジとファンに伝えることになる。今日は良い波に乗って成果が発揮出来たよ。とても良い感じ。肉体的にも精神的にも強さを感じている。まだラウンド1だけど、良いスタートになったさ」とハワイアンの中で最もベテランのフレッドはコメント。

スナッパーロックスのフェイスにバックハンドでパワフルなターンを重ねたフレッド。終了間際にケリーがカービング360を含んだライディングで7.90をスコアするまでは3位のC.J・ホブグッド(USA)共々コンビネーションに追い込み圧倒していました。

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約1ヶ月前にパイプラインで開催された『Volcom Pipe Pro』で4度目の優勝を決めたジョン・ジョン(写真上)
同年代のガブリエルがワールドチャンピオンに輝いたことは彼にとっても大きな意味があったようです。

「昨年の調子良さが持続している感じさ。昨年は多くのことを学んだ。ガブリエルの勝利には大きな影響を受けたよ。全ての若い奴らの刺激になったと思うね」

バレル勝負のパイプラインと違うこの舞台でレールトゥレールのサーフィンと美しいラウンドハウスカットバックでスコアを重ねたジョン・ジョン。かつては常に最新のライディングを見せていたワールドカード出場のデーン・レイノルズ(USA)のサーフィンでさえ、彼の前では衰えを感じざるを得ません。

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キアヌを含め、5名のルーキーがデビューしたこの日。唯一勝ち上がったマット・バンティング(AUS・写真上)はレッドジャージを着るトップシードのミック・ファニング(AUS)を抑える大金星。

「QSのハイシードから入ったのに、いきなりミックと対戦するとは思わなかったよ。ここで彼とフリーストーンと戦うってことは確実にタフだよね。凄いナーバスになっていたから、最初に勝てて本当に嬉しい。まだ先は長いけど、いくつかの結果を残して来年もここに戻ってきたい」

ミックは御存知の通り、トライアルで優勝してワイルドカードを得たジャック・フリーストーンもローカル。
オージーでもNSW州のポートマッコーリー出身のマットはアウェイでしたが、終了間際に追い上げてきた二人から逃げ切り、ルーキーイヤーで最高のスタートを切りました。

その他にR1を1位通過したのは、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)、ビード・ダービッジ(AUS)、マット・ウィルキンソン(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ナット・ヤング(USA)

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『Quiksilver Pro』のR1の後に行なわれた『Roxy Pro』R1はマリア・マニュエル(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS・写真上)、シルヴァナ・リマ(BRA)、ディミティ・ストイル(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)が勝ち上がった一方、昨年6度目のワールドタイトルを手に入れたステファニー・ギルモア(AUS)、タイラー・ライト(AUS)は敗者復活戦のR2へ。

「最初のラウンドは自分のアプローチに自信を持ってリラックスするようにしたの。2015年は私にとって新しい章。次の段階に向けて試していることに情熱を注ぐわ」とラスト1分を切ってから9.23をスコアし、コートニー・コンローグ(USA)とのクロスゲームを制したサリーはコメント。

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サリーの勝利の後に登場したステファニーは返り咲き組のシルヴァナ(写真上)の勢いに圧倒されてしまいコンビネーションスコアに追い込まれて敗退。このヒートはステファニーが悪かったというより、シルヴァナが良かったという表現が当てはまり、目を見張るスピードで9.33を含むトータル18.16。ウィメンズのハイエストスコア並びにハイエストヒートスコアをマーク。

「私は戦うためにここにいる。海ではベストを尽くすわ。100%、いや1000%の自信があるの。とても良い感じよ。今日は人生で最高のサーフィンをしたようだわ」とシルヴァナ。

2012年に怪我のためにシーズンを棒に振り、2013年は思うような結果が残せずにツアーから脱落。
しかし、QSからやり直しとなった2014年は6スターでの2勝を含み、素晴らしい成績でクオリファイを果たした彼女。
1年のブランクを埋めるどころか逆にパワーアップして戻ってきたシルヴァナは今シーズンのタイトル争いに大きな影響を与えそうです。

ネクストコールは現地時間3月1日の7時30分(日本時間の同日6時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると週明けにかけてサイズダウン傾向となる予想。

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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