投稿:石鹸と合成洗剤
2006-06-02 更新
5月3日に掲載した投稿「シャンプーの香り??」と、22日に掲載したその投稿への反響は、もうお読みいただけたでしょうか? はじめに問題を提起してくれたユーザーの方から、さらに追加で投稿が届きましたので、掲載させていただきます。---------------
こんにちは、シャンプーの香り?の投稿者です。
私の投稿に対する反響を読ませていただきました。皆さんが環境について考えておられるのでとても嬉しく思いました。
ただ、これは非常に心配、と私的に思った事がありまして再びメールさせていただきました。
「環境にやさしい・自然に戻る・自然成分からできたシャンプー(合成洗剤)」とよく見聞きします。しかし、そういうものだから、下水を通さず海近隣でシャンプーをしても海を汚さない、というのは非常にまずいなあ!と。
そもそも「自然に還るシャンプー」とはどんなものでしょう? どんなものであろうと海に流すと「いつか」は生分解します。その生分解をする速度が早ければ早いほど環境に負担をかけません。つまり、極論すれば、すべてのものが何十年何百年かかろうがいつかは「自然に還る」とも言えるのです。
本来交じり合うはずのない油と水を混じり合わせて汚れを落とすものを界面活性剤といいます。品質表示法で定められていますが、界面活性剤(洗浄剤)の種類には2種類あります。
●石けん(動植物の油脂をアルカリで煮たもの)
●合成洗剤(石けん以外の合成界面活性剤。石油・動植物油脂から化学合成)
「自然成分からできたシャンプー」と言っても、実は「あぶら」から作り出された合成界面活性剤を含む合成洗剤なのです。元の「あぶら」が石油系であろうとヤシ油などの植物油脂であろうと、そこから作り出された合成界面活性剤の性質は似たようなものです。安全かどうかを決めるのは、原料が何かということではなくて、その物質そのものが何であるかということです。石油から作ろうとヤシ油から作ろうと、非常に毒性の強い合成界面活性剤であることに変わりはないのです。
私は歴史が100年にも満たないのに地球を汚している合成洗剤より、下水処理などなくても5000年の歴史の中で美しい地球を保ちながら人々に使用されてきた石けんを、生活すべてに使用しています。
石けんは24時間で水と炭酸ガスに生分解します。人にも地球にももっとも優しい洗浄剤だと思います。皆さん中学生の頃授業でされた方も多いかと思いますが、私は石けんを手作りします。掃除用の石けんは話題の「天ぷら油」で作ります! 昔は各サーフィン誌などでも石けんと洗剤についての記事をよく見かけました。最近はあまりみかけなくなったなあ、と寂しく思います。
環境問題の答えがひとつではないにしても、シャンプー剤に記載されているすべての成分の正体を説明できて、どれだけ無害かを証明できない限り、いや、できようとも「自然に戻る」という文句のシャンプー(人間が作り出した化学薬品)を海に垂れ流すなどという行為は非常識極まりないということに間違いはないと思います。いつかは自然に還るとしても、自然に還るまでの間は毒性のあるゴミに変わりないのです。
巷にあふれている環境に優しい洗剤(シャンプー剤)の企業の売り文句ばかり鵜呑みにしていて「自然に還る・自然の素材のシャンプーだから浜辺でシャンプーしても平気だよ」なんて人間のエゴです!
私たちは企業の魅力的な売り文句に振り回されず、自分で考え確かめることが大事だな、と思います。
しかし私が石けんを使用しているように、自然に優しいというシャンプーを使用するのはもちろん個人の自由です。ただ何度も言いますが、どんなものであろうと(たとえ自分が良いと思っている洗浄剤でも)、どうか下水処理の整ったところで使用してください・・・。自分達はもちろん、子供達に綺麗な海を、地球をバトンタッチしていきたいですね。
本当はいわゆるオーガニック系洗剤と呼ばれるものの真実について言いたいことは山ほどありますが、まずは石けんと合成洗剤についてとても勉強になるHPをご紹介します。私はサーファーなら知っておかなくてはならないことだと思っています。
http://www.live-science.com/index.html
↑本館の石けんというものについてはもちろんのこと、別館の「鳥羽の海から」も必見です。
BCMのスタッフの方々にも是非見ていただきたいです。
(大阪府 M・M)