ケリーのニューボード!?
2015-03-28 更新

11度のワールドタイトルを始め、数々の記録を持つサーフィン界のキングことケリー・スレーター。
43歳にして未だ現役かつ毎年タイトル争いにも絡んでいる彼は公私共に注目され、最近では『FIREWIRE SURFBOARD』の株式の過半数を取得か?というニュースが流れて話題になっていました。
昨年、古巣の『Quicksilve』を離れ、最近では『Al Merrick』のロゴが入っていないサーフボードを乗ることも多くなった彼が現在熱心に取り組んでいるのはエコロジーに特化したブランドの確立。
特にサーフボードは一般サーファーの何十倍、何百倍も消費(ハワイやビッグウェーブスポットでは折れることも多い)するため、その問題を解決しない限り、環境にやさしいと言われているはずのサーフィンが最も環境に悪いスポーツになってしまうという矛盾が発生する可能性も...。
『FIREWIRE SURFBOARD』は環境に優しい原材料と製法を探求し続けているブランドで、従来のサーフボードよりも折れにくいという特徴があります。
さらに約2年前に開発された「TIMBER TEK」というモデルは、木材を利用するなど未来のエコボードと言われています。
その『FIREWIRE SURFBOARD』に目を付けたケリーの次の課題はシェイパー探し。
まず、注目されたのは2015年の開幕戦、ゴールドコーストで披露した「ダニエル’トモ’トンプソン」シェイプのラウンドノーズの短いボード。このボードに変えたのは彼が敗退したR3の後半だったこともあり、ライディングする姿は見れませんでしたが、ダニエルの工場があるレノックスヘッドでは目撃情報も。
「彼とは少しだけ一緒に仕事をしている。彼のアイディアが好きなんだ。彼のボードは見た目的に認められるのが難しい。好き嫌いが両極端に分かれるデザインなんだよ。でも、それを変える方法はある。少なくとも見た目はね」とサーフボードについて話したケリー。

オルタナティブボードの流行と共に日本でも注目されることが多くなったダニエルのボードの特徴は独自の理論から成り立つユニークなデザイン。
WQSではスチュアート・ケネディー(写真上)が乗っていることで有名です。
「ケリーとはかなり前から交流がある。彼には試験的なボードを何本か頼まれて削ってきたけど、他のシェイパーの試験的なボードも持っているし、イベント中に乗るかどうかは確実ではないね」とダニエル。
もし、ケリーが『FIREWIRE SURFBOARD』を買収した場合、ケリーのためのシェイパーが必要になりますが、すでにダニエルは『FIREWIRE SURFBOARD』と契約しており、他にもLOSTのマット・バイオロス、ジョン・ジョンが乗っているPYZELのジョン・パイゼル、LSDのルーク・ショートなどそうそうたる顔ぶれが揃っています。
「ボードが持つ働きをもっと考えたいんだ。彼の従来の形にとらわれない考えや、他の人に影響されない所が気に入っている。彼は物事の外側から考える人物。彼の父、マークはジョージ・グリノーと多くの時間を費やし、彼と共に違う角度からボードを追求してきた革新的な人でもある。そこからして他のシェイパーとは違うのさ」とケリー。
以前からセルフシェイプのサーフボードに乗るなど他の選手と比べて強いこだわりがあるケリー。
4月1日から開幕するベルズでの第2戦ではどんなサーフボードを抱えて登場するのか?
世界中のサーフィン業界が注目しています。

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