インドネシア地震後の実情
2006-06-02 更新
2006年5月27日(土)にインドネシアで起きた地震により、ジャワ島中部のジョグジャカルタ周辺では5000人を超える死傷者がでてしまい、家屋の倒壊などの物的被害も甚大で、たった今も雨の中で眠ることを余儀なくされている人が多くいます。現状をバリに在住する弊社スタッフより、普段ニュースでは知ることができない生々しい様子をレポートしてもらいました。
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ジョグジャカルタ周辺での地震ですが、バリでは沿岸部でも地震の影響はなく、その当日も弱震もなかったです。インドネシアのテレビニュース、新聞でも地震の規模被害者の数、被害状況等は解かりますが、NHKの海外放送の方が細かく最新状況が入ってきます。
バリ島では過去2回爆発事件がありましたが、それもイスラム教徒によるものですので、ヒンドゥ-教のバリ人にとってはジャワで起きた地震、自然災害は「きっと神様のバチがあたったのだ」と、結構冷たく見ている人々も多いように感じます。
被災地への援助金、食料などは前回のスマトラの地震・津波の時もそうでしたが、本当に困っている人のところに届かず、政府機関などで止まってしまうことが多いのが実情です。日本からのお米なども市場で「日本米」とパックされ安く売られたりしていたほどです。
今朝のインドネシアのニュースでは腐った食物を食べて食中毒になっている人達が出ているとのニュースがありました。今もニュースを見ておりますが、「色々な機関からのたくさんの食料が被災地に援助され、届けられている」と伝えているけれど、その食料は「配られる物」ではなく、欲しい人は被災地から離れているキャンプまで取りに行かなければならないのが実情です。また受け取るためには身分証明書が必要なので、身分証明書を地震で紛失した被災者は何も援助が受けられない状態であり、そのことで政府へ多くの問合せが寄せられているのですが、政府関係は対応を明確にしていません。
またバリでも路上で箱を持ち援助金を募る人達もいますが、実際は援助金として送られるようなことは絶対にないので、もしもバリに観光にいらした方で空港近辺の路上等で募金を募られたら断るべきだと思います。路上での募金活動がされる事はありえません。この機会を利用する人達です。しかし残念ながらバリにすんでいる私達でさえ、どこの組織に援助金を送ったら確実に届くのか、明確にわかる組織がない状態です。
この地震によってインドネシア入国に際しての制限はありません。バリではオーストラリアから渡航延期の注意が出ていたこともあり、現在観光客は大変少ないです。クタ周辺のサーフポイントでも長期滞在者を除き、観光で見えられるサーファーの方はほとんど居ない状況です。インドネシアへトリップを計画していた方は参考にしていただければと思います。