『Drug Aware Margaret River Pro』R3はワイルドカードとケリーが魅せた!
2015-04-18 更新

現地時間4月17日、西オーストラリア州のマーガレットリバーで開催中の『Drug Aware Margaret River Pro』はメンズR3とウィメンズR1を消化。
コンテストディレクターのキーレン・ペローはこの日も「The Box」での開催をコール。この決断が波乱を起こすことに...。
オープニングヒートを飾るはずだったジェレミ・フローレス(FRA)vsジョーディ・スミス(ZAF)のカードは昨日シークレットスポットでのフリーサーフィン中に膝を怪我したジョーディがキャンセルしたため、ジェレミーが不戦勝。
昨年、今イベントでワールドツアー初優勝を決めたミシェル・ボウレズ(PYF)がカイ・オットン(AUS)を敗り、R1で「The Box」のテストライディングを見事にこなしたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がアダム・メリング(AUS)をコンビネーションスコアに追い込んで圧勝したところまでは順当でしたが、R1をメインの「Surfers Point」で戦い、誰よりも「The Box」でのヒートを羨んでいたジョエル・パーキンソン(AUS)が全くリズムが合わず、ロースコア止まりでセバスチャン・ズィーツ(HAW)に大敗。
更にベルズを制してカレントリーダーの座を手にしたミック・ファニング(AUS)が素晴らしいバレルライドで9.50をスコアしたローカルワイルドカードのジェイ・デイヴィス(AUS・写真最上部・下)に圧倒され、早くも姿を消すことに...。

「全てがとても楽しかったよ。あの波(9.50)はヒートを忘れるほどだったね。プルバックして突き進んだ。強烈なテイクオフ。それから出来る限りのことをしたよ。ラッキーにも転ばずに済んだのさ」
コンペティションには興味が無いようだけど、これをきっかけにQSを回る?との問いには、「それはまだ考えていないね(笑) 家族や友人の前でホームタウンでの戦い。興奮したし、そのおかげで奮起したよ。親友であり、素晴らしいチャンピオンでもあるミック。彼とパーフェクトな’The Box’をシェア出来て楽しかった」
リスキーなテイクオフからパーフェクトなバレルイン。出口までメイクしたものの、最後のセクションを綺麗に抜けられず棚に乗り上げる形でワイプアウト。それが無ければ10ポイントがコールされた可能性も十分にあったライディング。
前日のR2で昨年のワールドチャンピオン、ガブリエル・メディナ(BRA)を倒し、2日続けて大金星をあげているジェイ。
2009年にベルズでファイナルまで進んだアダム・ロバートソン(AUS)を彷彿させるローカルワイルドカードによる快進撃はどこまで続くのでしょうか?
MCは彼に「ワールドチャンピオンキラー」の称号を与えていました。

ワイルドカードとの対戦はトップシードの宿命。それが吉となることもあれば、今回のように凶となることも...。
3Xのミック(写真上)は敗退後にも関わらず快くインタビューに応じ、「ビッグスコアに繋がる2本の波に乗ったよ。あれは凄かったね。楽し過ぎてジェイと笑い合っていたんだ。他に誰もいない’The Box’で友人と波を分かち合いバレルを楽しんだのさ。ここではジェイとヤディン・ニコル、ワールドクラスのワイルドカードに2度もやられた。’The Box’は素晴らしいパフォーマンスか、最悪かの両極端だから、まるで福袋のように運も関係する。アウトに出てバレルに突っ込むだけ。とても難しいし、それが面白いんだ」とコメントを残していました。

R1、R2同様に後半のヒートはメインの「Surfers Point」へ移動。
「The Box」とは対照的に大きなフェイスでのカービング勝負で一人だけ別格の動きをしていたのはケリー・スレーター(USA・写真上・下)でした。
序盤に目の覚めるようなビッグマニューバーで9.50をスコアしたケリー。後半にはテイクオフから巨大なバレルに包まれ、ボトムターンから美しくパワフルな弧を描き、インサイドまで完璧にライド。パーフェクト10がコールされ、トータル19.50でグレン・ホール(IRL)をコンビネーションに追い込んで圧勝。
いつもより長めのボードを使用していたこの日のケリー。1993年に初めてここでサーフィンしてから考えても今年のマーガレットリバーはベストとコメント。
許可の関係でコンテストの舞台には選ばれなかったものの、マーガレットリバーは他にもワールドクラスのスポットが沢山あり、その中の一つ、キラのような長いライトのバレル「North Point」でのフリーサーフィンの模様は映像にも残っています。

今シーズンは開幕戦のゴールドコーストで13位。第2戦のベルズで9位と例年に無く不調のケリー。
上位が次々と敗れている荒れたレースをチャンスに変えることが出来るのか?
12回目のワールドタイトルを狙うなら、ここが正念場とも言えるでしょう。
その他にR3を通過してR4に進んだのは、ナット・ヤング(USA)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ジョシュ・カー(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)
ローカルヒーローのタジ・バロウも9.33をスコアしてフレディ・パターチア(HAW)とのクロスゲームを制してラウンドアップしています。

R3の後はウィメンズのR1がメインの「Surfers Point」で進行。
開幕戦から2連勝のカリッサ・ムーア(HAW)を始め、レイキー・ピーターソン(USA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS・写真上)、ステファニー・ギルモア(AUS)、タイラー・ライト(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)が1位通過でR3に進出しています。
ネクストコールは現地時間4月18日の7時00分(日本時間の同日8時00分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると18日をピークに特大の南南西ウネリがヒットする予報。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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