『Oi Rio Pro』開幕!初日はブラジリアン・ストームが猛烈な勢い!
2015-05-13 更新

シーズン序盤のオーストラリアレッグの3イベント。カリフォルニア、ブラジルと2戦続いたWQSで最もグレードが高い10,000。
すでに終了した世界最高峰のサーフィンレースの主要5戦の内、4戦を制したブラジリアン・ストームの勢いはどこまで続くのか?
2016年には南米初のオリンピックが開催されるブラジル・リオデジャネイロでワールドツアー第4戦『Oi Rio Pro』が開幕して現地時間5月12日にメンズ・ウィメンズ共にR1が終了しました。
舞台の「Barra da Tijuca」はサイズが上がればバレル合戦となるほどの極上のサンドバーを持つビーチブレイク。
初日から素晴らしいコンディションに恵まれ、バレル&エアリアルの応酬。
ワールドチャンピオンを初めて抱えたシチュエーションでのギャラリーの盛り上がりは半端ではなく、それに応えるようにブラジリアンが次々と勝ち上がっていました。
1位通過でR3にラウンドアップした12名の内、半分の6名がブラジリアン。その中でもガブリエル・メディナ(写真最上部)の人気は特別。ビーチを歩けばセキュリティー無しでは動けないほどのファンに囲まれ、海に入る前に集中する側でも多くの人がスマホを片手に彼を囲む異常ぶり。
運営側が『ブラジリアン・ストーム』の文字が入った応援のための大きな手のサインを作成したのも、拍車をかけていると言えます。
ヒートでは序盤にフロントサイドでバレルをメイクして5.33。更にディープなバレルで7.00を重ね、ビーチからの大きな声援を浴びてフレッド・パターチア(HAW)とアレホ・ムニーツ(BRA)を抑えていました。
「これだけ応援してくれる人がいると良い感じで戦えるね。ここは自分のホーム。家族もいるし、ホームブレイクさ。プレッシャーなんかまるでないよ」
今シーズンは13位、5位、25位でトータルランキング16位。ワールドタイトルを獲得した昨年と比べると明らかに精彩を欠いているガブリエル。
その原因の多くは想像も出ないほどの大きなプレッシャーだと予想出来ますが、インタビューでは決して表に出さず、いつものようなポーカーフェイスを貫いていました。


成績不振のガブリエルとは対照的にオーストラリアレッグを過去にない好成績で駆け抜けてカレントリーダーのみが着用を許されるイエロージャージを手にしてホームに帰ってきたエイドリアーノ・デ・ソウザ(写真上)は、カイ・オットン(AUS)とローカルワイルドカードのデヴィッド・ドゥー・カーモを相手にバックサイドでパワフルなリップとフローターで8.00。後半にはまるでバックドアのようなバレルを完璧に近い形でメイク。9.73を叩き出して余裕のラウンドアップ。
「ホームタウンは最高だね。大きなプレッシャーを感じる位置ではあるけど、自分の支えになってくれる人がいるし、サポートしてくれる人は沢山いる。そんな人達に感謝をしたい。ここでの戦いは始まったばかり。このまま突き進みたいね。マーガレットリバーのイベントは特別だった。今は違うシチュエーションにいるけど、目指すことは同じさ」
ルーキーイヤーの2006年から数え、キャリア10年目のベテランとなるエイドリアーノ。
18歳だった当時からワールドタイトルを狙える実力があると言われ、それがやっと現実味を帯びてきた今年。
2011年に優勝をしたこともあるこの場所で再び勝利を重ねることが出来れば、チャンピオンへの道がより理想的に開けてきそうです。

エイドリアーノに並ぶほど今シーズン生きが良い、ブラジリアン。フィリッペ・トレド(写真上)は、風の影響が入ってバレルが無くなり、エアリアル勝負となったコロヘ・アンディーノ(USA)、アダム・メリング(AUS)とのカードで追い込まれていましたが、ラスト5分を切ってからバックサイドでノーハンドのテールハイ・リバースをメイク。このライディングに9.70がコールされ、土壇場で逆転に成功。このラッキーを呼び込む力が今年の彼の強さとも言えます。
ブラジリアンでは他にルーキーのウィゴリー・ダンタス、イタロ・フェレイラ、ジャドソン・アンドレがR3へ。
ケリー・スレーター(USA)は過去3度の優勝経験があるブラジルで信じられないようなバレルをメイクして9.77のハイエストスコアを含む19.27と驚異的なトータルスコアで次に進んでいます。
今シーズン好調のジェレミー・フローレス(FRA)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、マット・バンティング(AUS)、マット・ウィルキンソン(AUS)もR2をスキップしてR3に進出。
一方、ブラジリアン・ストームに圧倒されたミック・ファニング(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)などはR2へ。
昨年、今イベントでワールドツアー初優勝を決めたミシェル・ボウレズ(PYF)は怪我のために欠場しています。

メンズの後に行なわれたウィンメンズのR1は、ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)、.サリー・フィッツギボンズ(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW・写真上)、キーリー・アンドリュー(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)がR3へ。
マーガレットリバーでのフリーサーフィン中に膝を怪我したステファニー・ギルモア(AUS)は今イベントをキャンセルしています。
日本とブラジルの時差は12時間。ネクストコールは現地時間5月13日朝7時(日本時間13日夜7時)です。

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photo: WSL Covered Images
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