五十嵐カノア 南アフリカのビッグイベントでベスト8に残る!
2015-07-05 更新

クオリファイを目指すQSのトップランカーで争われるQS10,000『Ballito Pro』が南アフリカの「Ballito」で開催中。
昨年までのプライムに等しい最もグレードが高い今イベントには膝の怪我でフィジー戦を欠場したジョーディ・スミス(ZAF)を始め、コロヘ・アンディーノ(USA)、ウィゴリー・ダンタス(BRA)、マット・バンティング(AUS)、キアヌ・アシング(HAW)、エイドリアン・バッカン(AUS)、フレッド・パターチア(HAW)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)など多くのCT選手もエントリーしていましたが、トリッキーなコンディションに多くは早々と姿を消してしまい、現地時間6月4日に決定したベスト8、QF進出のメンバーの大半はQSの選手。
その中にアメリカ国籍ながら日本人の両親を持つ五十嵐カノア(写真最上部)が残り、ファイナルデイを戦います!
現在QSランキング84位の彼は17歳。南アフリカでのファーストトリップで快進撃を続け、ベスト16から8に絞るR4ではCTの出場経験もあるジョアン・ドゥルー(FRA)を相手に9.23を含むトータル16.63で圧勝。
「あのヒートではリズムが崩れてしまい、大きく深呼吸して心をリセットしたんだ。9ポイントを出した波はパーフェクトだった。自分は最高のポジションにいたし、全力を尽くしたよ。南アフリカに来るのは初めてだけど、とても気に入ったね。自分にとってすでに素晴らしい結果さ。これでランキングも一気に上がるし、大きな自信を持って今年は戦える。とてもエキサイトしているよ」
ジュニアでは3度の優勝経験があり、QSでも昨年のハンティントンビーチでの1スターで初優勝を決めていますが、10,000でのベスト8入りはそれを上回る成績であり、ランキングにも大きな影響を与えることになります。
QFの対戦相手は元CT選手で今年はワイルドカードの強豪アレホ・ムニーツ(BRA)です。

QFで五十嵐カノアと対戦することになったアレホ(写真上)は2月のオーストラリア・ニューキャッスルでの6,000『Burton Automotive Pro』の優勝をベースにポイントを稼ぎ、現在QSランキング3位。
今イベントではR1からコンスタントにハイスコアを量産して全て1位通過で勝ち上がっています。
「会場を移動したのは良い判断だったね。ここはターンもしやすいよ。移動を考慮して気持ちを切り替え、サーフィンも合わせたんだ。それが功を奏したと思うよ」
コンディション不良のために2日間のレイデイを経ての再開となったこの日。
朝は「Bather’s Beach 」でR3が進行。R4は300m北上した「Surfer’s Beach」へ移動と選手達には忙しい一日になったと同時に波に合わせる適応能力も重要になっていました。
ワイルドカードですでに3戦(次の『J-Bay Open』もジェレミー・フローレスの代理として出場が決定)出場しているとはいえ、正式なメンバーとしてワールドツアーを回るにはQSのハイグレードイベントで上位を重ねるのは必至であり、QFも容赦はしないでしょう。
「ランキングのトップに立つことは重要さ。昨年は4年間戦ってきたCTから脱落してしまった。長い道のりなのは分かっているけど、来年はCTに戻って自らを証明したいんだ。優勝よりも一つ一つのヒートを勝つことを考えているよ」
昨年は最終戦のパイプラインでミック・ファニング(AUS)をR5で敗り、ガブリエル・メディナのブラジリアン初のワールドタイトルの影の立役者となったアレホ。
ガブリエルの栄光の裏でクオリファイを逃し、再スタートを切った今年。勝利への執念は誰よりも強いと思います。

ガブリエルがワールドタイトルのプレッシャーからか昨年の勢いが嘘のように低迷している今シーズン。
フィジー選手ではカレントリーダーのエイドリアーノ・デ・ソウザ、2位のフィリッペ・トレドまでもが早々と敗退してブラジリアン・ストームの衰退か?と言われていますが、ルーキーのイタロ・フェレイラ(写真上)だけは右肩上がりに成績を伸ばしています。
R4では高さのあるエアリアルでこの日のハイエストとなる9.40をスコア。
8.50のバックアップを重ね、トータル17.90。マキシム・ハシーノ(FRA)をコンビネーションに追い込んでQSでは今シーズン初となるQF進出を決めていました。
「最後の波は凄い良かったよ。最初の波のフロントサイドの大きなエアーは着地に失敗したけど、再びトライしたエアーは成功したんだ。ヒートが終わった時はストークしたね。QFに進めてとてもエキサイトしているさ」
QFの対戦相手は同じブラジリアンのカイオ・イベリ。
その他、ミッチ・コルボーン(AUS)、デイヴィー・キャッスル(AUS)などが勝ち上がっています。

ファイナルデイのファーストコールは現地時間7月5日の朝7時。
日本時間の同日午後2時です。
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photo: WSL Covered Images
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