『J-Bay Open』開幕!
2015-07-11 更新

全11戦で争われる2015年のWSL Samsung Galaxy Championship Tourの折り返し地点、第6戦『J-Bay Open』が南アフリカのJeffreys Bayで開幕!
2日間のレイデイの後、現地時間7月10日にR1の12ヒートが進行しました。
オーストラリアレッグからブラジル戦までの4イベントはブラジリアン・ストームが非常に強い勢力で圧倒。
フィジーでの第5戦では、オーウェン・ライト(AUS)が前人未到のパーフェクトヒート×2で完全優勝、その勢いを止めていましたが、依然カレントリーダー、エイドリアーノ・デ・ソウザ。2位にフィリッペ・トレドというブラジリアンの1・2で中盤へ。
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると7月19日までのウェイティングピリオドの間に大きな期待が出来るウネリは入らずとの予想。
出来る時に少しでも進行しなければいけないコンテストディレクターの決断で、初日のコンディションはクラシックなJeffreys Bayには程遠く、デビルウィンドと呼ばれるサイド〜サイドオンショアが強まり、厳しい戦いに...。
果てしなく続くようなライトを舞台としたビッグマニューバー、ビッグカービングでは無く、まるでブラジルのビーチブレイクのようなエアリアル勝負となったファーストラウンドでした。

オープニングヒートには自国タヒチでのフリーサーフィン中に左手と脊椎を骨折してブラジル、フィジーと2戦欠場したミシェル・ボウレズ(PYF・写真上)が復帰。まだ風が多少合っていた朝の内のJeffreys Bayのフェイスに美しいターンを連発して7.00を含むトータル12.00でブレット・シンプソン(USA)、タジ・バロウ(AUS)を抑えてR3へ。
「2ヶ月振りに戦った最初のヒートを勝てるなんて最高さ。まだ80%のサーフィンだと感じている。今日のような波では違うやり方が必要だけど、今の自分が出来る範囲でいくつかのマニューバーが出来たと思う。重要なのは気持ち良く勝てたことだね」
実はJeffreys Bayのフリーサーフィン中にも足の裏を4針縫う怪我を負っていたミシェル。
このミシェルを始め、ブレット、ジョーディ・スミス(ZAF)、今回も欠場したジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、フィジー戦の前に怪我をしたジェレミー・フローレス(FRA)、マット・バティング(AUS)など怪我人が多い今シーズン。
フリーサーフィンのあり方とは?という悩ましい議論もされるほどです。

オッキーことマーク・オクルーポ(AUS)が優勝した1984年を除くとツアーの正式な舞台となった1996年の初開催での優勝から4度も今イベントを制しているケリー・スレーター(USA・写真最上部・上)は、トリッキーなコンディションに誰よりも上手く対応。
1本目でローテーションエアーをメイクして8.17。ショルダーが残る波を掴んだ2本目では深いボトムターンからトップターン、カービング、フローター、最後には短いバレルまでくぐり抜け、8.83のハイエストスコアをマーク。
トータル17.00のハイエストヒートスコアまで手に入れ、ウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)、グレン・ホール(IRL)、チョッピーな波に手こずっていた二人のグーフィーフッターをコンビネーションに追い込んで圧勝。
「今週は多くの時間をここで過ごしたおかげで本当に良い感じなんだ。最後のスウェルは追い求めず、自らを調整していたよ。昨日のフリーサーフィンはとても良かったね。今日はどこで波を待ち、どの波を選べば良いか、そして誰が何をしているか、それを見ながら落ち着いて自分のヒートを待つことが出来た。今日は特に目立った選手はいないよね」
昨年はR3でウィルコにコンビネーションの大敗を喫していたケリー。この日のコンディションはバックハンドには特に難しく、フロントサイドの利点を上手く活かしてリベンジを果たしていました。
得意のフィジーでさえ9位に甘んじてしまいランキング11位と最悪のシーズンを送っているものの、キングの宿命として常に聞かれるのはタイトル争いのこと。
その件については、「何かをやらないとね。少なくとも、ここにいる間は彼らの上に立ち続けないといけない」と話していました。

ケリーが表の主役だったとすると、この日の裏の主役はC.J・ホブグッド(USA・写真上)でしょう。
フィジー戦で歴史に残る功績をあげたオーウェンを含む、グーフィーフッターオンリーのカードで、ラスト2分を切ってからバックハンドで確実にターンを重ね、6.53をスコア。3位から一気にトップに立ってラウンドアップ。
5戦続けてR1敗退の25位という泥沼をやっと抜け出すことに!
「ただ良いサーフィンをしたかったんだ。スローヒートの中、オーウェンはハードに攻めていたよね。彼のサーフィンはとてもスムーズで、自分よりも大きなターンをしていたよ。だから、彼よりも大きな波を探さないといけなかった」
フィジー戦の最中に今シーズン限りで1999年から17年間のキャリアに終止符を打つことを表明したC.J。
グーフィーフッターで今イベントを制したのは冒頭にお伝えしたオッキーのみ。それだけJeffreys Bayの波は難しいのです。

その他にR1を勝ち上がったのは、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ワイルドカードのデーン・レイノルズ(USA・写真上)、ミック・ファニング(AUS)、コロヘ・アンディーノ(USA)、ジョシュ・カー(AUS)、エイドリアン・バッカン(AUS)、フレッド・パターチア(HAW)、ビード・ダービッジ(AUS)、キアヌ・アシング(HAW)
一方、カレントリーダーのエイドリアーノ、2位のフィリッペ、昨年のワールドチャンピオン、ガブリエル・メディナなどブラジリアンは全てR2の敗者復活戦行きを強いられています。
ネクストコールは現地時間7月11日の朝7時30分(日本時間同日午後2時30分)
南西のグランドスウェルは一旦弱まり、週明けには新しい南西のグランドスウェルが入る予想。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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