『Hurley Pro at Trestles』2日目もエピックコンディション!
2015-09-11 更新

現地時間9月10日、カリフォルニアのローワー・トラッセルズで開催中の「WSL Samsung Galaxy Championship Tour」第8戦『Hurley Pro at Trestles』は初日のR1を取りこぼした選手による敗者復活戦のR2が進行。
快晴だった前日と比べると雲は多かったものの、コンスタントに入る夏の南西のグランドスウェル、ハリケーン「Linda」からの南南東スウェルによるセットに加えてこの時期にしては珍しく夕方までクリーンなフェイスをキープ。世界最高峰のサーフィンレースにふさわしいエピックコンディションでR3進出をかけての激しいバトルが行なわれていました。
オープニングヒートでイアン・クレーン(USA)が強烈なバックハンドで9.10を叩き出し、フィリッペ・トレド(BRA)を脅かし、僅差で敗退しながらもワイルドカードの怖さを示した後に登場したもう一人のワイルドカード、大原洋人。
前日のR1では、ミック・ファニング(AUS)、アダム・メリング(AUS)という二人のベテランを相手に持ち前の物怖じしないライディングで7ポイントを2本揃え、典型的なビーチブレイクのハンティントンとは違うローワー・トラッセルズというポイントブレイクでも通用することを証明。

R2の対戦相手はツアー7年目のベテランで、現在ランキング8位のジョシュ・カー(AUS)
「Hurley Japan」チームマネージャー・糟谷修自、応援に駆けつけた両親や彼女が見守る中、蛍光色のトランクスでパドルアウトした大原洋人は、序盤にフロントサイドで力強いターンを重ね、6.10。続いてバックサイドで3,83をスコアして序盤の主導権を握ります。
後半、徐々にスコアを伸ばしてきたジョシュに逆転されましたが、ラスト5分を切ってからハリケーン「Linda」からの特大のライトのセットをキャッチした大原洋人はビッグターンを2回重ね、「US Open」を彷彿させるガッツポーズで6.07。
しかし、その後ろでジョシュはそれを上回る形良いセットでカービングを連発。ジョシュのスコアが出る前に大原洋人(写真下)は再度ライトの波をとらえ、際どいターンを重ねますが、フィニッシュまでメイク出来ず...。
最後のセットはジョシュが7.33。大原洋人が6.67。トータル13.50 vs 12.77でジョシュがR3へのチケットを手に入れました。

敗者ながら特別に与えられたインタビューでは、「最後の波は良かったよ。でも、厳しいヒートだった。良い波は少なく、自分とジョシュは、どの波が良いか迷っていた。トリッキーだったんだ。ダンパーだったり、一見良さそうでもダメだったり、本当に波選びが難しかったのさ。ヒートの最後にやっと良い波が入ったけどね」
「US Open 」の優勝で賞金100,000USドル(日本円にして約1,240万円)を手に入れ、表彰台でのインタビューの最後には「免許をとって車でも買いたいね」という名言まで生んだ大原洋人。
その賞金の使い道を聞かれると、「あの賞金にはまだ手をつけていないよ。免許もとってないし、車も買っていない。でも、今冬には手に入れるつもりさ。まだ決めてないけど、多分ピックアップトラックかな」と笑顔でコメント。
大原洋人の初めてのCTの結果は最下位の25位。ハイエストスコアはR1の一本目、ライトの波で7.33。
数字上では決して良いと言えませんが、彼の第一の目標であるワールドツアーの中での現時点での実力を計れたという意味では充分な成果があったでしょうし、今後の課題も明確になったと思います。
この7.33を8ポイント台まで伸ばす努力、研究、トレーニングをすれば更に上が見えて現在のQSランキング14位からあと一歩のクオリファイ圏内10位以内にも自然に近づいてくるでしょう。
ちなみに「US Open」の優勝で一躍時の人となった大原洋人は18歳という年齢やまだ幼さが残るルックスから世界中のメディア、ミックやタジなどの世界のトップ選手からも「ヒロト!ヒロト!」と声をかけられ、現地では歓迎ムードだったそうです。
誰からも愛されるというのもプロとして大切な才能と言えます。

10ヒート行なわれたR2の中で最もスコアを伸ばしたのはパーコことジョエル・パーキンソン(AUS・写真最上部・上)でした。
今シーズンで引退をするC.J・ホブグッド(USA)とのH9はスロースタート。前半はミドルスコア止まりでしたが、中盤にライトの波をキャッチしたパーコは独特のスムースなライン、リラックスしたスタイルで美しいマニューバーを描き、9.57。後半にはリップ、カットバック、エアーリバース。この日のローワー・トラッセルズで可能な全てを一本の波で披露して9.17。トータル18.74でC.Jをコンビネーションに追い込んで圧勝。
タヒチ戦の最中のフリーサーフィンで首を怪我したパーコ。その件については、「まだ首に痛みはあるけど、日に日に良くなっているし、もう問題ないね。今年は素晴らしいシーズンと言い難い。でも、最終的に良いスコアを出せたし、勝てたので嬉しいよ。C.Jにはインスピレーションを受けている。彼は真のチャンピオンだよ」
2012年に念願のワールドタイトルを獲得した後、モチベーションの影響か、3位、6位と年々ランキングを下げているパーコ。
特に今シーズンは最高位がフィジーでの5位、すでに最下位が1回、R3敗退の13位が4回もあり、ランキング18位とリクオリファイさえ危険なラインにいます。
2004年にケリーとファイナルを戦い、優勝経験があるこの舞台でもう一度トロフィーを受け取ることが出来るのか?
優勝自体、2013年のバリ戦以来見離されているだけに、世界中にいるパーコファンは彼が笑顔で担がれる姿を待ちわびていることでしょう。
その他にR2を勝ち上がったのは、フィリッペ・トレド(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)、ナット・ヤング(USA)、ウィゴリー・ダンタス(BRA)、ビード・ダービッジ(AUS)、グレン・ホール(IRL)、マット・ウィルキンソン(AUS)、ミゲル・プーポ(BRA)
一方、タヒチ戦で足首の捻挫から復帰したジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、まだ100%回復していないのか、スコアを伸ばせずに早くも姿を消すことに...。

この日は『Hurley Pro at Trestles』の前にウィメンズCT第7戦『Swatch Women’s Pro』のR2が消化され、アレッサ・クイゾン(HAW)、ディミティ・ストイル(AUS)、ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)、タイラー・ライト(AUS)、セージ・エリクソン(USA・写真上)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)がR3へ。
R1で一足先にR3行きを決めたレイキー・ピーターソン、コートニー・コンローグとカリフォルニア勢の活躍が目立つ今イベントでセージも多くの地元サポーターの前でフィンが完全に抜けるパワフルなリップを披露して8ポイント台を2本スコア。マリア・マニュアル(HAW)を倒すことに成功したと同時にCTでは今シーズン全てR2で敗退していた屈辱を7戦目にして晴らすことが出来ました。
「このスポーツで自信というのは非常に重要。今年は本当に厳しいわ。QSでランキング1位というのはかなり助かる。今回はホームのギャラリーと家族の前だし、特別よ。R3に進めてエキサイトしているわ」
3人ヒート(1位はQFへ。2位と3位はR4へ)のR3はビアンカ、レイキーとのカード。
ここをクリアすれば更に自信がついて次に繋がる可能性もありそうです。
ネクストコールは現地時間9月11日の朝7時(日本時間9月11日夜11時)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によるとゆっくりとサイズダウン傾向ながら十分なサイズが残る予想。
ライブ中継は公式サイト。スマホやタブレットからは公式アプリが便利です。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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