『Hurley Pro at Trestles』3日目 ブラジリアン・ストーム再び!?
2015-09-12 更新

全11戦で争われる2015年「WSL Samsung Galaxy Championship Tour」の第8戦『Hurley Pro at Trestles』はウェイティングピリオド初日からノンストップで進行。
早くも3日目となった現地時間9月11日にはR3が終了してR4を戦う12名が決定しました!
あの忌まわしき同時多発テロから14年経った9.11のカリフォルニアの空は青く、ローワー・トラッセルズの波は相変わらずエピック。まさに平和そのものでしたが、多くの人が忘れられないあの日の出来事を思い浮かべたことでしょう。
パーフェクト10をラストライドとしてサプライズ的な引退を発表したフレッド・パターチア(HAW)がキャンセル(対戦相手のオーウェン・ライト(AUS)は不戦勝)したため、R3は1ヒート削られて11ヒートのみ。
勝ち上がったメンバーの半数、6名がブラジリアン。シーズン中盤の失速から「ブラジリアン・ストーム」という言葉でさえ忘れかけていたものの、彼らが得意とするミドルサイズの波や様々な要素が勝利を呼び込み、再び勢力を増すことに。
そのブラジリアンの中でも開幕戦と自国ブラジル、今シーズン2勝を上げているフィリッペ・トレド(写真最上部)がトレードマークであるエアーショーを披露してギャラリーを熱狂。
後半にかけてスコアを伸ばし、特大のエアーリバースをベースとしたライディングで9.77。この日のハイエストスコアをマークしてミシェル・ボウレズ(PYF)を抑えていました。
「最近の悪い結果が続いたことについては、色々な問題があったんだ。肘を怪我をしてタヒチ戦の後は2週間海に入れなかった。このコンテストが始まる前は2回しかサーフィンしていないよ。ボードのこともあるし、ナーバスになったけど、カリフォルニアの家に戻れたし、’Hurley’は自分のスポンサーでもある。昨日のR2の勝利の後、自信を取り戻すことが出来たかな。この勢いを維持したいね」

対戦相手のミシェルは2ヒートだけ残っていたR2も戦い、そこではシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)のインターフェア(写真上)で辛くも勝利。
このインターフェアは分かりにくく、コンテストディレクターのキーレン・ペローが後に説明を加えたほど。
簡単に説明すると、ヒート終了後のホーンが鳴った後はプライオリティが消滅。ホーンが鳴る前にプライオリティを持っていたシーバスはそれを理解せずにミシェルのテイクオフした波にドロップイン。ホーンが鳴ったタイミングが微妙でしたが、この行為にジャッジはインターフェアをコール。
「今朝のミシェルのヒートは直接見ていなかったけど、ビーチで話は聞いたよ。彼とは親友でタヒチでも家に泊めさせてもらっていたんだ。考え過ぎず、楽しむことだけを心掛けたよ」
自らのシェイパーが拠点を置くカリフォルニアのサンクレメンテに家族と共に引っ越し、すでにこの土地に腰を据えているフィリッペ。
社交性な性格からファンも多く、彼がテイクオフすると一際大きな声援が上がっていたのが印象的でした。
3人ヒート(1位はQFへ。2位と3位はR5へ)のR4はミゲル・プーポ、イタロ・フェレイラのブラジリアン対決。
若い3名のカードは空中戦がメインになりそうです。

エアーでスコアを稼いだフィリッペとは対照的にカービングオンリーで最もスコアを伸ばしたのはパーコことジョエル・パーキンソン(AUS・写真上)でした。
前日のR2で大原洋人を倒したジョシュ・カー(AUS)を相手に深いボトムターンから美しいトップターン。スピード、パワー、フローの三拍子が揃い、僅か3マニューバーで9.70をマーク。
「昨日が自分にとって今年のターニングポイントだったと思う。今の心理状態はとても良いし、このまま勝ち進みたいよ。ランキングは大分下の方だけど、自分的にはそんな感じが全然しないんだよね」

ジョエル同様にカービングで魅せたもう一人の選手、ケリー・スレーター(USA・写真上)はトラッセルズでの優勝記録6回を誇り、「Boost Mobile」から「Hurley」にスポンサーが変わった後も2010年から3年連続で優勝。
トム・カレンの33勝記録を抜いたのも、ツアー通算50勝目を決めたのもこの場所。
勝運に恵まているという言葉では片付けられない相性の良さもあります。
「普通のスウェルと違うから、良い場所で待つのが難しいんだ。あのヒートでもベストな波を逃してしまったよ。後半、アダムが逆転するには9ポイント台後半が必要だった。だから、心配はしていなかったさ」
アダム・メリング(AUS)とのH10では中盤に8.33。後半に8.17をスコアしてニード9.67に追い込んで圧勝。
プライオリティについてやや混乱があったようですが、得意の舞台で難なくR3をクリアした印象でした。
ちなみにR1ではノーマークの真っ白なサーフボードを乗っていたものの、R3ではお馴染みの「Channel Islands」のマークが入ったボードにチェンジ。
R1で使用したボードは非常に軽かったのですが、R3ではロータイドでパワーがある波だったため、重いボードが有効。4〜5本の調子が良いボードのストックから選んだそうです。
その他にR4進出を決めたのは、ウィゴリー・ダンタス(BRA)、ナット・ヤング(USA)、エイドリアン・バッカン(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)
カレントリーダーのエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、僅差で2位につけているミック・ファニング(AUS)、不戦勝のオーウェン・ライト(AUS)とタイトルレースに絡んでいる3名も次に繋げています。

『Hurley Pro at Trestles』の後はウィメンズCT第7戦『Swatch Women’s Pro』のR3が進行。
3人ヒートで1位はQFへ。2位と3位はR4の敗者復活戦に回る仕組みのこのラウンドでは、カレントリーダーのコートニー・コンローグ(USA)、タイラー・ライト(AUS・写真上)の強さが際立ち、特にタイラーは9.57のハイエストスコアを含む18.80のハイエストヒートスコアまでマーク。
カリッサ・ムーア(HAW)とアレッサ・クイゾン(HAW)を完全に抑えていました。
「夢のようなヒートだったわ。波はコンスタントでパワフルよ。今年のスタートはチグハグしていたけど、やっと繋ぎ合わさってきた感じね。今回は兄のオーウェンと一緒。彼から多くを学んでいるわ」
シーズン前半、3位が2回と5位が2回。決して悪い成績ではなかったものの、ランキング1位と2位のコートニー&カリッサが良過ぎたため、タイトル争いからは脱落しているタイラー。
しかし、昨年までは毎年タイトル争いに絡み、2013年、2014年と2年連続2位でフィニッシュしている彼女の実力は誰もが知っている通り。後半のラウンドでもその存在は脅威となりそうです。
コートニー、タイラーの他にはビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)、ディミティ・ストイル(AUS)がQFへ。

ネクストコールは現地時間9月12日の朝7時(日本時間9月12日夜11時)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると週末から週明けにかけてゆっくりとサイズダウン傾向。
次のスウェルはウェイティングピリオド後半の17日〜18日に入る予想。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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