『Hurley Pro at Trestles』4日目 ケリーvsミックの激しいバトルの結果は?
2015-09-13 更新

現地時間9月12日、カリフォルニアのローワー・トラッセルズで行なわれているサーフィン最高峰のレースは、CT第8戦『Hurley Pro at Trestles』のR4&R5、ウィメンズCT第7戦『Swatch Women’s Pro』のR4&QF、その合間に往年のスター選手による『Heritage Series Expression Session』を挟むという豪華3本立て。
週末を利用して集まった沢山のギャラリーに用意された舞台はどれも素晴らしい内容でした。
まずは『Hurley Pro at Trestles』
3人ヒート(1位はQFへ。2位と3位はR5へ)のR5はフィリッペ・トレド(BRA)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、エイドリアン・バッカン(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)が1位通過でQFへ。
特にフィリッペ(写真下)は特大のフルローテーションエアーの1マニューバーで9.20。大声援を送るギャラリーも味方につけてバックアップスコアもドンドンと伸ばしてミゲル・プーポ、イタロ・フェレイラとのブラジリアン対決を堂々と制していました。
「みんな親友だけど、このスポーツに関しては本当に情熱的なんだ。トップ5をキープするため、このイベントでは絶対に良い結果を残したい。だから、もしあのヒートに勝てなければ怒っていたかもね。ベストを尽くしたよ」
R4に進んだ12名の内、半数の6名がブラジリアン。一度は影を潜めた「ブラジリアン・ストーム」とローワー・トラッセルズとの相性について聞かれると、「私達にとって何でも出来る良い波だよ。みんながこのコンテストを待ち望んでいるし、エキサイトしている。特に自分にとってはセカンドホームだし、カリフォルニアの人達とも上手くやっている。とても良い場所さ。とにかくエキサイト出来る波なんだ」

敗者復活戦のR5の注目はケリー・スレーター(USA)vsミック・ファニング(AUS・写真最上部)のカード。
序盤に珍しくレフトの波にテイクオフしたケリーはバックハンドでビッグエアー(写真下)を披露。ボードと身体が離れてワイプアウトと思いきや、スープの中で見事にリカバリーに成功。超人的なバランス感覚を目の前にしてギャラリーも盛り上がっていましたが、4.17とスコアは伸びず...。
一方、ミックは一貫してスタイルを崩さず。序盤の7.87をベースに主導権を握り続け、バックアップを伸ばしながらケリーを引き離していきます。
終了直後に乗ったライトは美しいラウンドハウスカットバックからバーディカルなリップとケリー節が炸裂したものの、ニード9.01のシチュエーションで8.57と届かず。その前に波に乗っていたミックと同時に岸に戻る最中、握手を交わし、肩を抱きながら健闘を称えあっていました。
「ケリーとの対戦は毎回凄いヒートになる。今回も本当に厳しかったから、勝ててストークしているよ。ケリーは偉大なチャンピオン。彼のキャリアに憧れてきたんだ。彼と戦うと自分のベストが引き出されるのさ」

ミックのインタビューの後、ケリーがロッカールームで自らのボードを片手にインタビュー。
R3から変えた「Channel Islands」の黄色いマークが入ったボードには、ミックとのヒートで見せたエアーからのリカバリーの際にクラッシュした生々しい跡が...。
「ミックが大分強い立場にいたから、全力を尽くして戦ったよ。イベントを通して言えることだけど、自分のヒートで波数が少なくなり、良い形で波をまとめられなかった。この結果で今年のタイトルレースから外れたし、ヨーロッパに行くかどうかも今から真剣に考えるよ。休みをとるには良い時期かもね」
もし、今イベントで優勝をしていればタイトルレースに加わるチャンスが残されていたケリーでしたが、カレントリーダーのエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、2位のミック、4位のフィリッペがQFに残り、自らが敗退した今、そのチャンスは消滅。以前から腰痛を訴えていただけに、ヨーロッパレッグを休んで治療に専念し、完全復活したケリーを待つのも良いかもしれません。
QFの注目カードはフィリッペとジョエル・パーキンソン(AUS)のエアリアルvsカービング、ガブリエルvsナット・ヤング(USA)のグーフィーフッター同士対決でしょう。

ウィメンズCT第7戦『Swatch Women’s Pro』はQFが終了してSFを戦う4名が決定。
カレントリーダーのコートニー・コンローグ(USA)がレイキー・ピーターソン(USA・写真上)とのクロスゲームに敗れた一方、カリッサ・ムーア(HAW)がウィメンズのハイエストスコア、9.93をマークしたタイラー・ライト(AUS)を土壇場で逆転してSF進出を決めたため、ポイント差からカリッサが再びランキングトップに立つことが確定。
昨年は今イベントのR4でレイキーがカリッサを下し、その結果トップから3位に転落。今年はレイキーのおかげでカリッサがトップに返り咲くことに成功。
「タイラーがパーフェクトに近いスコアでスタートしたから、冷静さを保つのが難しかったわ。最後に逆転出来て本当にハッピーよ。スコアを待っていた時、勝てるようにと強く願ったの」
2度のワールドタイトルを獲得したカリッサは、数多くのトロフィーを持っていますが、ローワー・トラッセルズは2014年からウィメンズの1戦として加わったため、まだ手に入れていません。
トラッセルズの象徴であるアムトラック(ポイントの目の前を通る列車)のレールと枕木をモチーフにしたトロフィーを受けるとことが出来るのか?
メンズを含め、残り一日で全ての勝敗が決定します。
『Swatch Women’s Pro』SFの組み合わせはビアンカvsレイキー、カリッサvsディミティ。

「J-bay」でのトム・カレンの10ポイントバレルライド、パイプラインでのトム・キャロルの当時そのままのボトムターンからプルインなど、いくつもの名場面を生んでいる『Heritage Series Expression Session』は、ショーン・トムソン、ウェイン”ラビット”バーソロミュー、サイモン・アンダーソン、マイケル・ホー、シェーン・ホランによって行なわれ、MCにはMRことマーク・リチャーズ、PTことピーター・タウンド、イアン・カーンズを迎え、和やかに進行しました。
ネクストコールは現地時間9月13日の朝7時(日本時間9月13日夜11時)ですが、今イベントはローカルのために土日のどちらかを使用しないルールがあるため、レイデイになりそうです。
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると週末から週明けにかけてゆっくりとサイズダウン傾向。
次のスウェルはウェイティングピリオド後半の17日〜18日に入る予想。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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