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『Hurley Pro at Trestles』 ミック優勝でカレントリーダーに!

2015-09-19 更新
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『Vans US Open of Surfing』を制した大原洋人のワイルドカード、フレッド・パターチア(HAW)のパーフェクト10をマークしてのサプライズ的な引退、ケリー・スレーター(USA)のクレージーなエアリアルのリカバリー、更にそのジャッジについての賛否両論(詳細は「F+ DIGITAL」で)など話題豊富だった今年の『Hurley Pro at Trestles』
現地時間8月18日、5日間のレイデイを経て迎えたファイナルデイは残念ながらイベント前半のようなパーフェクトなローワー・トラッセルズではなく、アベレージサイズ&早い時間帯から風の影響が入っていましたが、世界最高峰のサーフィンレースを戦うトップ選手達は与えられた条件で素晴らしいパフォーマンスを披露。

更にファイナルデイを盛り上げたのは、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)vsミック・ファニング(AUS)のファイナル。
シーズン前半の猛烈な勢いが中盤の失速をもカバーしてカレントリーダーの座をキープしているエイドリアーノ。僅か250pt差で追う2位のミックの直接対決が実現し、序盤からクロスゲーム、白熱した戦いが繰り広げられていました。

6〜7ポイントの攻防となったこの戦いの勝敗を分けたのは中盤に「スピード、パワー、フロー」スコアを伸ばす三大要素をカービングオンリーで表現したミックの9.77。
この一本でコンビネーションに追い込まれたエイドリアーノは終了間際にトップターン、フローター、リバース。バリエーション豊かなマニューバーで9.07を返しますが、ニード8.38のシチュエーションでプライオリティはミック。
セットもピタリと止んでしまい、逆転のチャンスを与えられないままミックが今シーズン2勝目を決めてベルズ終了後以来のカレントリーダーに!

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「ストークしているよ。エイドリアーノは素晴らしいコンペティターだし、凄い良い奴さ。イエロージャージをかけて1位と2位が争ったファイナルはとても面白かったね。9.77をスコアした後も安心は出来なかったさ。彼は決して諦めないし、そんな彼のことをリスペクトしている。フランスの前に一度家に戻って気持ちを切り替えるよ。上手くいけばヨーロッパでタイトルを決めたいね」

ファイナル終了直後、ラインナップでピーター・メルのインタビューに答えていたミック。
イベント前半のオーバーヘッド、グラッシーでパーフェクトなコンディションからファイナルデイのスモール&バンピーなローワー・トラッセルズまで一貫してカービングオンリーのスタイルを崩さず、ハイスコアをコンスタントにマーク。
特にファイナルデイはエイドリアン・バッカン(AUS)とのQFで9.13。ガブリエル・メディナ(BRA)とのSFで9.07、9.10。ファイナルでも9.77と全てのヒートで9ポイント台を叩き出して圧倒的な強さを見せていました。
マイク・パーソンズのコーチも今回の勝利の大きな助けになったと思います。

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「自分にとって素晴らしいイベントだった。早くからここに来ていたんだけど、凄い良い波が続いていたよ。優れたサポートチームに恵まれ、とても楽しく過ごせたさ。母親が一緒にいたことも特別な要因だったね」

トラッセルズでの優勝は2009年以来2度目。スポンサーが「Boost Mobile」から「Hurley」に変わった年に優勝しています。
ツアー20勝目はA.Iことアンディ・アイアンズ、ダミアン・ハードマンに並ぶ記録。
ワールドタイトルの数ではトム・カレン、A.Iに並ぶ3回。もし4度目を獲得すればMRことマーク・リチャーズに並ぶことになります。

「波乱の年になっている。’J-Bay’のこともあるしね。このイベントは波からしてパフォーマンスが全て。受け取ったトロフィーは本当に特別さ。同時にエイドリアーノを祝福したい。彼は素晴らしいサーフィンをするし、いつも凄い戦いになるんだ。’J-Bay’の時はあの事故を聞いて空港から戻ってきて励ましてくれたのさ...」

最後の言葉の後、肩を抱き合ったミックとエイドリアーノ。素晴らしいスポーツマンシップがライブ中継を通して世界中に配信された瞬間でもありました。

「全てのヒート毎に異なるやりがいがあった。最初のヒートからコロヘとのR3、ケリー、エース、ガブリエル。CTでサーフィンするイコール世界のベストサーファーと対戦するってことなんだ」

カレントリーダーだけが着用を許されるイエロージャージを手にして次の戦いの舞台はフランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグへ。その件については、「4度目のワールドタイトルは簡単ではないよ。特にエイドリアーノみたいな選手が相手だとね(笑) フランスは親友もいるし特別な場所。いつも楽しんでいるよ。ヨーロッパレッグはトリッキーな波での勝負。全力を尽くして進むだけ。それはエイドリアーノもフィリッペも他の選手も同じだと思うよ」と話していました。

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ミックとエイドリアーノの対戦はベルズ戦以来。その時は同スコアのカウントバックでミックが優勝したため、エイドリアーノ(写真上)としてはリベンジを果たすチャンスでしたが、今回もミックに主役の座を奪われてしまい、更にマーガレットリバー以来、着用し続けていたイエロージャージも手放すことに...。
それでもQFでウィゴリー・ダンタス(BRA)、SFでフィリッペ・トレド(BRA)と勢いのある若いブラジリアンを倒し続けてファイナルをメイクしたことは彼にとって大きな収穫、自信に繋がったことでしょう。

「レジェンドのミックとファイナルを戦えたことは特別だね。激しい勝負をしたけど、海から上がれば大切な友人さ。今年も素晴らしいショーをサポートしてくれた’Hurley’を始め、ギャラリー、コーチ、フィアンセ、ここに来てくれた全てのブラジリアン、ブラジルにいる家族。みんなに感謝したい。ミックにも改めて’おめでとう!’と言うよ」

ファイナルでは終了間際に9.07をスコアしてコンビネーションを解消。逆転のチャンスが巡ってきた時の心境については、「願わくば...。でも、逆転は出来なかったね。あの波で優勝の可能性を取り戻したのはとても嬉しかったよ。ミックの勢いは凄かった。追いつくために自分はベストな波を探していたんだ。この舞台に立てて嬉しい。目標である初のワールドタイトルに向けてこの結果は大きな助けになると思うよ」

ブラジリアンとしてはトラッセルズで初のファイナルをメイクしたエイドリアーノ。
優勝こそ逃したものの、SFに残ったフィリッペ、ガブリエルと共にシーズン中盤に衰退した「ブラジリアン・ストーム」を再び巻き起こしていました。
フランス、ポルトガルとブラジリアンが得意なビーチブレイクが続くため、その勢いが増す可能性も...。
トップのミックとエイドリアーノ、3位のフィリッペまでのポイント差は5,000。11戦中、上の9戦のポイントをカウント、3戦を捨てるアジャストを考えるとミックが有利ですが、エイドリアーノ、フィリッペのヨーロッパレッグの活躍次第では面白い勝負になりそう。
今シーズン調子が良いオーウェンの存在も3人にとって怖いところでしょう。

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次の第9戦『Quiksilver Pro France』は10月9日〜17日にフランスで開催。
その前にポルトガルでQS10,000が2週連続で開催。
9月22日〜27日は『SATA Azores Pro』、9月28日〜10月4日は『Allianz Billabong Pro Cascais』
QSランキング14位の大原洋人もクオリファイに向けて参加予定なので、お楽しみに!

『Hurley Pro at Trestles』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)
3位 フィリッペ・トレド(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)
5位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、ウィゴリー・ダンタス(BRA)、エイドリアン・バッカン(AUS)、ナット・ヤング(USA)

2015年WSL Samsung Galaxy Championship Tour
『Hurley Pro at Trestles』終了後のランキング
1位 ミック・ファニング(AUS) 44,700pt
2位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA) 42,950pt
3位 フィリッペ・トレド(BRA) 39,700pt
4位 オーウェン・ライト(AUS) 38,400pt
5位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 34,950pt

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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