ブラジルのQS6,000で五十嵐カノアが優勝!
2015-11-03 更新

2つのQS6,000と10,000で構成されるブラジルレッグのセカンドイベント『Mahalo Surf Eco Festival』がイタカレで開催され、現地時間11月1日に終了。
会場は美しい入り江に質素な宿泊施設などがいくつか立ち並んだブラジルのプチリゾート「Praia da Tiririca」
白い砂の上にパームツリーや鮮やかなパラソルが彩り、水着で心地良く過ごせる開放的な雰囲気に選手達もリラックスしてコンテストを楽しめたようです。
一方、このブラジルレッグが終わるとQSイベントはトリプルクラウンの中の2戦のみで、そこには強豪のハワイアンが加わるため、上位入賞はよりハードルが上がります。
ワールドツアーの一員になるか、また来年もQSで一からやり直すかでは雲泥の差。
クオリファイのラインである10位の前後にいる選手にとってブラジルレッグはまさに正念場と言えるでしょう。
ジュニアとQSの両イベントに積極的に参加し、ジュニアでは2勝。QSではアメリカ・バージニアでの3,000『Vans Pro』で優勝。更にハイグレードでは大原洋人が優勝した『Vans US Open of Surfing』での3位を始め、上位入賞が重なり、ブラジルレッグの前に7位だった五十嵐カノア(写真最上部・下)は、ファーストイベントの『Red Nose Pro15 Florianopolis SC』で5位に入り、ランキングを一つ上げて6位へ。
更に今イベントでは今シーズンのQS2勝目を決めて6,000ポイントを加算。5位までランキングを上げてクオリファイをほぼ確実なものにしました。

「最高!信じられない!素晴らしい気分だよ!これまでで最大の勝利。そして、自分の人生の中で最高の年さ。本当に嬉しいよ。この優勝で自分のポジションが固まり、プレッシャーや心配からも解放された。リラックスして楽しめるよ。次のマレシアスでも上手くやりたい。ブラジルを愛している。マレシアスが待ち切れない!」
コナー・オレアリー(AUS)とのファイナルでは序盤からフロントサイドで高さのあるストレートエアーをメイクして7.00をマーク。すぐに6.17のバックアップスコアを重ねて主導権を握っていたカノア。
中盤、追い上げてきたコナーは逆転に成功。リードを広げる場面もありましたが、カノアはラスト数分でフルローテーションエアー、7.40を返して逆転。白熱したクロスゲームとなり、トータル14.74 vs 14.40。僅か0.34ポイント差でカノアに軍配が上がったのでした。
カノア、コナー共に11月2日〜9日にサンパウロの「Praia de Maresias」で開催される10,000『HD Sao Paulo Open』に参加予定。
こちらには大原洋人、新井洋人もエントリー。
大原洋人は現在QSランキング26位。トップ10に入るには上位入賞が必至です。
ちなみに現在ワールドツアーで戦うトップ34のメンバーの中にカノアと同じ北米の選手はケリー・スレーター、コロヘ・アンディーノ、ブレット・シンプソン、C.J・ホブグッドの4名のみ。
C.Jはすでに引退を表明していますし、ブレットはリクオリファイには難しいランキング、ケリーも年齢や今年の成績を考えると...。
そうなると残るのはQSランキング1位でリクオリファイ確実なコロヘのみとなる可能性があるため、カノアのツアー入りはアメリカでも非常に注目されているそうです。


惜しくも優勝は逃したものの、コナー(写真上)は今回の2位で4,500ポイントを得てQSランキング8位まで上昇。
カノアと違ってまだ安心出来るポジションではありませんが、念願のクオリファイが現実味を帯びてきました。
「凄い結果だね。QSでの初ファイナル。ストークしているよ。バンピーで難しい波だったけど、スコアを出せる波はあった。2位でフィニッシュ出来たことは良かったさ」
元JPSAプロの柄沢明美の長男であり、日本のQSにも積極的に参加しているコナー。
昨年の最終ランキング65位から今年は一気にクオリファイ圏内に入るところまで実力を伸ばし、これでツアー入りが決まれば、カノアの他にもう一人、日本人として注目すべき選手が増えることになります。

10,000『HD Sao Paulo Open』にはガブリエル・メディナを始め、エイドリアーノ・デ・ソウザ、フィリッペ・トレド、イタロ・フェレイラなど強豪ブラジリアン、その他CTから数多くの選手が参加。
トリプルクラウンの前、最大の注目イベントと言えるでしょう。
『Mahalo Surf Eco Festival』結果
1位 五十嵐カノア(USA)
2位 コナー・オレアリー(AUS)
3位 ライアン・カリナン(AUS)、デヴィッド・ドゥー・カーモ(BRA)
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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