「バリ島トリップ2015年夏⑤」
2015-11-20 更新
僕はアジアに来ると必ずと言って良いほどバイクに乗る。高校生の頃、学校に無断で免許を取って中型バイクを乗り回していたのを思い出す...。
最近は危ないから止めろと家族に説得されて日本では乗るのを控えているが、中年になっても風を切って走るのはとても気持ちが良いものだ。
しかも、それが南国とくれば解放感も更に増す。
いつかバイクにサーフボードを括り付けてバンダアチェからスンバワくらいまで1年間くらい掛けて旅してみたいと妄想もしている。
レンボガンはとても小さな島、周りはサンゴ礁に囲まれていて、どこを走っていても景観の良い場所が多い。
その上、マングローブまであって観光客も多かったが、僕の泊まっているエリアと反対側に位置する場所に行ってみると人の気配が殆どないエリアがあった。
そこに煙が立ち込めている場所があったので近くに行ってみると、まるでスモーキーマウンテンのようなゴミの山が燻っていた...。
西側の文明社会が持ち込んだ石油精製品のゴミの焼却所。
目も開けてられないほど酷い煙の中でカラスが悲しく叫び、ゴミを突いていた。
ここにも使い捨て文化がすっかり根付いているのを目の当たりにした。先進国と違うのはキチンとした焼却施設がないことだ。
もちろん下水だって海にストレートに流されているに決まっている。観光で儲かったお金をこちらに回すことが急がれる...。
2時間ほどバイクに乗ると僕は再び宿に戻ることにした。すでにサンセットタイムに差し掛かろうとしていた。
’夕日愛好家’の僕としてはこの瞬間を見逃すわけにはいかなかった。
サンセット後、寂しくひとりで食事をとると、昼間ボートでポイントに連れて行ってくれたローカルが隣に座ってきたので、アラックを一杯やることにした。
名前を聞き忘れたが、その青年も日本人と結婚して日本に9年間も住んでいたそうだ。
沢山友達ができて日本は良い思い出が一杯あると話してくれた。
チマジャでもバリでも日本語が上手なローカルと沢山出会う。それだけ国際結婚が多いということだろう。
少しして部屋に戻るとすぐに眠気に襲われた。朝早く出発して島についたらすぐにサーフィン、午後は慣れないバイクにも乗ったので、体力も限界だったということだ...。
おかげで翌朝は5時にバッチリ目が覚めた。
薄暗い中、サーフボードにゴリゴリとSEXWAXを塗りこむとポイントに向かって歩き出した。この時間だとまだボードサービスは無いし、昨日は往復で200,000ルピー(約1800円)も払ったので、今日は最初から歩きとパドリングで行くつもりだった。
シップレックポイントの前まで歩いて15分。砂浜からブレイクまでパドリングでさらに15分ほど掛かってラインナップに到着した。
波は昨日と同じく胸位のサイズだが、ポイントには僅か5名ほどしかいなかった。
しかも、ラインナップしている人達はジェントルで、次は君の番だよと声を掛けてくれるほどだった。
風も無く、まさにオイリーなフェイスを滑れるのはビーチパーティの誘惑に勝って早起きした者だけの特権だ。
しかし、1時間ほどして日が昇る頃には20人ほどに増えていた。先程の雰囲気が嘘のように周りが忙しくなり始めたので、再び15分のパドリングと15分歩きで宿に戻った。
シャワーを浴びて荷物を纏めて朝食を済ませる。爽快な気分になった。たった一泊のレンボガン島、ずっと昔から来てみたかったこの島に来ることができて良かった。
お腹が落ち着いたところで次なる場所、ロンボク島の横にあるギリアイランドという島へ向かうため。船乗り場であるビーチにむかった...。
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