ジュリアン・ウィルソンがワールドタイトルについて語る
2015-12-06 更新

いよいよ最終戦の『Billabong Pipe Masters』だけとなった2015年のワールドツアー。
ミック、フィリッペ、エイドリアーノ、ガブリエル、オーウェン、ジュリアンの6名でワールドタイトルが争われます。
今回はツアー5年目にして初めてタイトルレースに加わったジュリアンにWSLのエディター、ダニエル・ジェンクがインタビュー。
現在7位でポイント差からタイトルには数多くの条件がありますが、昨年はパイプマスターズとトリプルクラウンを制しており、6名の中では最もハワイで結果を残しています。
更に他の選手に比べてプレッシャーが少ないことから、イベントの流れ次第では怖い存在になる可能性も...。
今シーズンはJ-Bayでファイナルに残り、その最中に対戦相手のミックがシャークアタックに遭遇する異例の事態が発生。その後に話題の’美し過ぎる彼女’との婚約を発表。
そして、初のワールドタイトルの可能性と波瀾万丈のジュリアン。
27歳、世界トップのアスリートの大舞台を前にした考えとは?
■JW=ジュリアン・ウィルソン
■WSL
キャリア初のワールドタイトルの可能性を得た気持ちは?あなたはトリプルクラウンとパイプマスターズのチャンピオンでもあるよね
■JW
最終戦でのタイトルの可能性。それは間違いなく、今年の目標だった。
サンセットのイベントにも参加したけど、本当の焦点はパイプさ。
大きなスウェルと幸運。それがあるとありがたいね。
■WSL
今年はワールドツアーでのベストな成績、そして婚約と素晴らしい年になっているよね。
レベル的に過去最高となっているサーフィンの世界で何か特別なことをしているの?
■JW
良いバランスを保とうとしている。
肉体的、精神的の両方で出来る限りの準備を自分自身でしているよ。
それが今年のコンスタントな結果を生んでいるんだと思う。
ツアーのみんなとイベントを回り、サーフィンをして、そのレベルの高さを見ることを楽しんでいる。
同時に自分のサーフィンを進化させ、ヒートに勝つための最善策を考えている。
■WSL
今年は2位が3度もあり、明らかに良い結果を出していますが、惜しくも優勝は逃している。
これはあなたにとって怒りに結び付くの?それともやる気に結び付くの?
■JW
それはやる気に結び付くよ。
ファイナルに進むことは凄いことだけど、優勝を狙っているのは当たり前のことさ。
最後はゴールドコースト、次のフィジーは全く不本意な結果だった。J-Bayでは事故(シャークアタック)の影響で中断を余儀なくされた。
今年も優勝を狙ってイベントを戦っているし、前向きな気持ちでハードワークをこなしているよ。
シーズンが終わるまでは優勝するために挑戦し続けるさ。

■WSL
J-Bayでは多くのメディアに注目されていたけど、世間の目、その後のコンテストとのバランスをとることは難しかった?
■JW
それはなかったよ。
その時点でポイントは稼いでいたし、J-Bayと次のタヒチの間に良い休暇を過ごしたからね。
メディアには上手く対処し、再び自分のやるべきことに集中出来た。
タヒチでは気分良く過ごせた。同じヒートで戦ったC.Jが素晴らしい波に乗るのを見たりね。タヒチではタイトルレースのために結果を出せず、次のトラッセルズではベストパフォーマンスが出来なかった...。
(タヒチ、トラッセルズとR3敗退の13位が続く)
J-Bayの後、アップダウンがあったのは確かさ。でも、それはあの事件による騒ぎやメディアの注目とは関係が無いと思っている。
今は初めてのワールドタイトルレースでの経験を少し味わっている。新たなことを学び、それが自分を高めているよ。
■WSL
フランスでは良い結果(3位)を残したものの、次のポルトガルでは厳しい結果(R2敗退の25位)に終わった。
これは、ツアーに参加している全ての選手に勝つ能力があるってことだよね。この激しい競争でどのように精神的なバランスをとっているの?
■JW
悔いが残らないように全力を尽くすことを毎試合心掛けている。
ポルトガルは悪い結果だったけど、良いゲームだったと思っているし、自然が舞台だから難しいコンディションの時もある。カードに左右されることもあるよ。
しかし、自分が誇りに思うようなパフォーマンスをしている限り、例え敗退しても悔いは残らないのさ。
負けても深く考え過ぎないようにしている。
今のツアーのレベルはとても高く、コンディションも良いし、その中でうまくやっている選手が残っていると思う。パイプでチャンスがある6名がその条件に当てはまっているのは確かだよ。例外的なコンディション、平均的なコンディション。そして、ジャンクな波でも最高の波でも優れた選手達さ。
全ての条件で結果を残した選手がワールドチャンピオンにふさわしいんだ。今年はミック、エイドリアーノ、フィリッペが最もコンスタントな結果を残しているし、パイプでも有利な立場。でも、同時に誰もがタイトルを逃す可能性があり、最後に上手くやるのが誰になるかは分からないよ。
■WSL
あなたのタイトルの条件は最低でもパイプマスターズで優勝すること。更に他の選手のミスにも左右される。いずれにしても最後に笑うとすれば最高の結果が得られることになる。もし、タイトルを獲得出来なくても満足出来るシーズンになると思う?
■JW
今年の結果は昨年のハワイからの勢いがもたらしている。だから、今年も最後のポジションはあくまでシーズンの終わりの位置付けだと考えているよ。タイトルを獲得するためには多くの条件がある。ただパイプで優勝するだけでは果たせないけど、昨年のように優勝出来れば自分にとって誇りになるさ。QSからのリクオリファイが必要な状況で来た昨年のハワイと違い、今年はベターだよ。あの優勝のおかげで昨年とは対照的に今年のツアーではワールドタイトルのために戦うポジションを得ることが出来たんだ。

■WSL
昨年優勝したパイプライン。精神的に影響がある?他のイベントと違うアプローチで挑むの?
■JW
まず始めにパイプマスターズに関して自分が考えるのは、僅か2名であのブレイクでサーフィンすることがいかに興奮することか。
気分良くシーズンを終えるために大きなスウェルが入ることを願っている。フィジーでは素晴らしいスウェルに恵まれたけど、本当に望むのはパイプでの大きなスウェルなんだ。誰もが最後まで最高の戦いの機会を与えられるくらいのね。
どれほど良い波になるか、そこで自分がどれだけ楽しめるかに焦点を合わせているよ。
ヒートを勝ち進み、自分の他に1名、2名だけでサーフィンしたいね。
■WSL
ワールドタイトルとはあなたにとって何を意味するの?
■JW
常にそれを達成したいと熱望してきたし、獲得出来れば満足するだろうね。
毎日のやる気にも繋がっている。とても素晴らしい気分になれると思うよ。
勝つ見込みは低いけど、今年はまだチャンスがある。そのために日々トレーニングやサーフィンをして上を目指しているんだ。達成出来たら大きな原動力となるだろう。そして、最高の気分だろうね
■WSL
シーズンが終わったら、何かご褒美や休暇などを考えているの?
■JW
ハワイではかなり集中している。
この大きな一年が終わったら、まずは自分の時間を楽しみたいよ。
ホリデーは最高の休養。今のところ休暇の最中の予定は婚約者とのパーティーだけ。
他に計画は立ててないね...。
最終戦の『Billabong Pipe Masters』はオアフ島・ノースショアのパイプラインで12月8日〜20日に開催。
イベント前半から大きな北西ウネリが入ることが予想されています。
WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images
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