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『THE EDDIE』が6シーズンぶりに開催!

2016-02-26 更新
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史上最強のエルニーニョ現象によってJAWS、トドス・サントス、マーヴェリックスと世界を代表するビッグウェーブスポットでのコンテストが続いている今冬。
その千秋楽とも言えるワイメアの『THE EDDIE』こと『The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau』が現地時間2月25日の木曜日に開催されました!

ビッグウェーブイベントでは最も権威がある『THE EDDIE』は今年で31周年。
ハワイの英雄、エディ・アイカウに敬意を表し、他のイベントとは一線を画すこの舞台は条件も厳粛であり、2月10日には開催当日に前夜からの大渋滞を抜けて集まった多くのギャラリーを前にしてキャンセルされたほど...。
あれから約2週間。今回の北西ウネリは今冬最大と予想され、前回はJAWSでのフリーサーフィンと天秤に掛けていた選手も姿を見せて過去に例を見ない豪華なメンバーが集結。

ハワイアンサイズで20-30ftレンジ。フェイスで30-45ftレンジ。最大60ftの十分なサイズにトレードウィンドによって整ったワイメア。1986年の勝者であり、エディ・アイカウの弟でもあるクライド・アイカウに「自分が見たことがある過去40年でベストデイの一つ」と言わしめ、6シーズンぶりの『THE EDDIE』開催は特別なものになりました。

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そのクライドは最年長の66歳。兄、エディの誇りを胸にビーチで自らを奮い立たせ、強烈なワイメアショアブレイクを抜けてセットへのドロップ。ワイプアウトを恐れず、パドルバックする勇気。
結果よりも参加することに意味があるこのイベントの大きな立役者のひとりだったと言えます。

また、2007/2008のシーズンから8回続けて招待され、グレッグ・ロング(USA)が優勝した2009年には20位だった脇田貴之は、ファーストラウンドでジョン・ジョンにドロップインするなど不利なバックハンドでリスキーなチャージを披露。
一時は3位まで順位を上げてイベントを盛り上げていました。

その他、「Channel Islands」の黄色いガンを駆り、1週間前にガンでこの世を去ったブロック・リトルが1990年に見せたようなバレルライドをメイクした2002年の勝者、ケリー・スレーター(USA・写真上)や、恐れを知らないドロップで100点満点中、96点のハイエストスコアをマークしたオーストラリアを代表するビッグウェーバー、ロス・クラーク・ジョーンズ(AUS)、数々の鳥肌が立つような危険なワイプアウトなど歴史に残る名場面が次々と生まれていました。

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このイベントのフォーマットは通常と違い、28名の招待選手が7名ずつに分かれ、1ヒート1時間の内に4本の波に乗り、満点は100点。
それを各選手2ラウンド行ない、ベスト4ウェーブの合計でランキングされます。
舞台のワイメアの特性上、スコアの基準は波のサイズが重要で、掘れ方やテイクオフのポジションなどが加算され、エディ・アイカウの精神から一本の波に何人乗っても問題はありません。

この独特のフォーマットで最後に頂点に立ったのは、ラウンド2で89点と88点を揃えたジョン・ジョン・フローレンス(HAW・写真上)でした。

「このイベントに参加出来ただけでエキサイトしていたよ。今日はとてもナーバスになっていた。無事に一日を過ごし、良い波に何本か乗れれば良いやという気持ちだったのさ。今朝はまだ暗い内に自転車でここに来たんだけど、今まで見たことがないほどの沢山の車が道路に駐車されていたのを見て気持ちが高ぶっていたよ。’アンクル・クライド’も言っていたけど、ビーチに向かって歩いていたら、皆が叫んでいるんだ。こんなクレイジーなほどのエネルギーを感じたことは初めてさ。間違いなく、これは人生のハイライトだね」

「アイカウ・ファミリーや、この素晴らしいイベントを開催してくれた’Quiksilver’に感謝したい。自分の人生でまだ数回しか開催されていないこのイベントでサーフィンして、まさか優勝するなんて...。本当に夢のようだね。対戦相手のレジェンド達は、子供の頃からのヒーローばかりだった。応援してくれた母と家族、友人にも感謝するよ」

パイプラインマスターズを手に入れる前に『THE EDDIE』を制したジョン・ジョンは、12歳の時からセレモニーに参加。
75,000USドル(日本円で約915万円)の賞金よりも、確実に歴史に残る『THE EDDIE』での優勝、それも史上最年少での獲得の方が遥かに価値があることだと思います。

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ライフガードであり、海の事故を守るために生涯を捧げたエディのためのイベントで決して許されない海での事故。
それを防ぐためにロングボードのワールドチャンピオン、ボンガ・パーキンスを始めとした総勢7台によるジェットスキーによるレスキューの活躍は見所のひとつでもあり、R1のH3でクローズアウトセットが入った時、全速力で一斉にビーチに戻る場面は会場が騒然となっていました。
更に選手は2009年の開催時には無かった「Quiksilver」と世界最大のスキューバー・ギア・カンパニーの「AQUA LUNG」の共同開発によって生まれた特別なベストを着用。

2001年の勝者、49歳(今年で50歳)のロス・クラーク・ジョーンズ(写真下)は、「あのオプションを手に入れたことは、とても良かったね。もし、着用していなかったら、最後の波でワイプアウトした時に最悪な事態もあり得た。あの波は強い風でサーフボードが舞ってしまい、木っ端微塵になってしまった。素晴らしい機材だと思うよ」とコメントを残していました。

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世界を代表するビッグウェーバーが集まったこの日。イベントとは別に『THE EDDIE』のウェイティングピリオドの間、ハワイで最も大きな波に乗ったサーファーに贈られる賞がアーロン・ゴールド(HAW)に手渡されました。
約1ヶ月前、トドス・サントスでのBWTのイベントをキャンセルしてケリーやシェーン・ドリアンも参加したJAWSでのセッションで、史上最大の70ftオーバーの巨大な波に乗ったアーロン。その映像は動画サイトやSNSによって世界中に拡散され、大きな話題になっていました。

31年の歴史で9回目の開催となった今年。会場には約2万5千人のギャラリーが集まり、ビーチを埋め尽くしていました。
2月18日の木曜日、48歳にして亡くなったブロック・リトルも一番の特等席で過去最大の波と言われた『THE EDDIE』を楽しんでいたことでしょう。

『THE EDDIE』結果
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
2位 ロス・クラーク・ジョーンズ(AUS)
3位 シェーン・ドリアン(HAW)
4位 ジェイミー・ミッチェル(AUS)
5位 ケリー・スレーター(USA)
...13位 脇田貴之

WSL公式サイト

『The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau』公式サイト

photo: WSL Covered Images

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