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『Rip Curl Pro Bells Beach』3日目

2016-03-26 更新
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1962年からの古い歴史を持つオーストラリア・ビクトリア州のトーキー、ベルズで開催中のCT第2戦『Rip Curl Pro Bells Beach』は現地時間3月26日に3日目を迎え、メンズのR1の残りヒート終了後、ウィメンズのR2からR3までが進行しました。

公式3-5ftレンジの南西ウネリにグラッシーなフェイスのベルズ・ボウルズで行なわれたメンズのR1では、開幕戦でCT初優勝を決めてカレントリーダーだけが着用を許されるイエロージャージを手に入れたウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS・写真最上部)を始め、今イベントで3度の優勝経験があるパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)、カイ・オットン(AUS)、ナット・ヤング(USA)、ウィゴリー・ダンタス(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が1位通過でR3進出を決めた一方、ケリー・スレーター(USA)、コロヘ・アンディーノ(USA)、ジョーディ・スミス(ZAF)などがR2行きを強いられていました。

開幕戦でR2敗退。まさかの最下位でベルズ入りしたケリー。
原因の多くは自身のサーフボードブランド『Slater Designs』の「ダニエル’トモ’トンプソン」シェイプのボードにあると言われています。
今回R1で使用していたボードは5’10のラウンドピンで、開幕戦の時に乗っていたものとは違うものの、一本目のライディングでの引っ掛かりや、二本目のテールスライドの失敗などを見ると違和感が...。

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現地の『F+』のつのだゆき編集長によるとR1のケリー(写真上下)はポジショニング、波の選択が悪く、サーフボードもフルパワーでのライドについていなく、’ケリー節’も回らずということ。
R2の対戦相手は新井洋人も参加していたスポンサートライアルで優勝してワイルドカードを得たティモシー・ビッソ(GLP)
開幕戦での二の舞にならないことを願いたいところです。

そんなケリーですが、コンテスト外の最新のインタビューで2020年の東京オリンピックでサーフィンが競技に選ばれた場合、出場の意思を示しています。
オリンピック開催時には48歳になっており、全てのアスリートを含めても高齢の部類に入るでしょうが、注目度、話題性としては非常に大きいと思います。

なお、ケリーを抑えたカイは、ヒート終了後のインタビューの際に人身事故に遭った友人にメッセージを残そうとしましたが、感情を抑えられずに涙を流し、言葉も出ないほどでした。

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R1のH9では開幕戦のファイナリスト、ウィルコとコロヘがブラジリアンのミゲル・プーポを交えて対戦。
3名共に6ポイント台がハイスコアとエクセレントは無く、クロスゲーム。僅かにバックアップが上回ったウィルコがトータル13.40でラウンドアップ。

ヒート終了後のインタビューではイエロージャージ着用の気分を聞かれ、「とてもシルキー(絹のような肌触り)だよ。しばらくはキープしておきたいね」と笑顔で返していました。

今シーズンは昨年引退したグレン・ホールのコーチの存在が大きいようですが、ウィルコ自身もハードなトレーニングを積んでいるとのこと。
そのモチベーションについては、「自分で決めたことだし、すでに成果は出ている。開幕戦での成功がその証拠さ。このまま続けて今年がどんな結果になるかだね」と話していました。

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この日のハイエストスコアを出したのはジョーディ、ブラジリアンのジャドソン・アンドレと対戦したジョン・ジョン(写真上)でした。
序盤に丁寧なターンで6.00をスコアした後、すぐにセットの波をキャッチ。ファーストセクションで大きなスナップからカットバックで繋いでインサイドまでメイクして8.50。この一本が決め手となり、トータル14.50でR3へ。

「ベルズは小さい時のサンセットの波に似ているんだ。ピークがシフトしてくるし、パワーもある。スナッパーロックスとは全く違うボードが必要さ。ここでは、冬の間に乗っていた同じモデルのサーフボードを使用している。新しいボードは昨日下ろしたばかりだけど、完璧で自信もあったよ」

6シーズンぶりに開催されたワイメアの『The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau』では強豪を抑えて史上最年少の栄冠を手に入れたジョン・ジョン。
彼に残されたミッションはパイプラインマスターズとワールドタイトルの二つ。
今年は特にコンペティションに集中しているようなので、その両方を獲得する可能性も十分にありそうです。

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メンズの後に進行したウィメンズの2ラウンドは徐々に風の影響が強まり、R2の最中にはすでに難しいコンディションとなり、R3の最終ヒートに関しては3名でトータル5本。3位でR4行きを強いられたタイラー・ライト(AUS)に関しては僅か一本しか乗れず...。

3人ヒートのR3(1位はQFへ。2位と3位はR4へ)を勝ち上がってストレートでQF行きを決めたのは、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW・写真上)、コートニー・コンローグ(USA)、ジョアン・ディファイ(FRA)の4名。

特に2013年から3年連続で今イベントを制しているカリッサのベルズとの相性は圧倒的であり、風の影響で乱れたフェイスに大きなターンを重ね、7.67を含むトータル15.27。手こずっていたマリア・マニュエル(HAW)、ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)の両者をコンビネーションに追い込んで圧勝していました。

ネクストコールは3月27日の朝8時(日本時間の同日朝6時)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると期間中で最も大きな南西ウネリが入ることが予想されていますが、南西のオンショアが吹き込む見込み。

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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