『Drug Aware Margaret River Pro』開幕!
2016-04-09 更新
現地時間4月8日、西オーストラリア州のマーガレットリバーでCT第3戦『Drug Aware Margaret River Pro』が開幕!
初日はウィメンズのR1からスタートしてメンズR1のH9まで進行。
舞台となったメイン会場の「Surfers Point」は公式3-4ftレンジ。朝からオフショアが強めながらライト・レフト共にあるグッドコンディション。
自然が残され、’ワイルド・ウェスト’とも称されるこの土地。ヒート中にはイルカが選手の近くまで寄ってきたり、前日の夕方には巨大なサメの目撃情報(五十嵐カノアがフリーサーフィン中にジェレミー、ウィゴリーなどと遭遇して慌てて岸に戻ったそうです)があったりと同じオーストラリアでもゴールドコースト、ベルズビーチとは違う雰囲気に包まれていました。
ウィメンズではベルズで優勝してカレントリーダーの座を手に入れたコートニー・コンローグ(USA・写真下)を始め、タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS)が1位通過でR3進出を決めた一方、ランキング2位のタイラー・ライト(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)などが敗者復活戦のR2行きを強いられていました。
「ここの波では自分のサーフィンを良くするための多くを学んだわ。常に変化するこの舞台が好きなの。実際に来るまで何があるか分からない。豊富なウネリと素晴らしいオフショアが吹く時もあれば、難しいコンディションの時もある。毎回、訪れる度、朝起きて何が起こるかワクワクしながら冒険しているのよ」
カレントリーダー並びにディフェンディングチャンピオンでもあるコートニー。
アレッサ・クイゾン(HAW)、ワイルドカードのフェリシティ・パルマティア(AUS)とのカードは波数が少なく、序盤に乗った7.43の一本だけで3位に甘んじていましたが、ラスト5分を切ってからプライオリティを利用してセットの波にテイクオフ。スムースなカービングで5.97。ニード2.94を楽々とクリアして一気にトップに躍り出ていました。
ちなみに冒頭にお伝えしたイルカも彼女が逆転に成功した最後の波に乗った直後に現れ、まるで歓迎しているかのようでした。
風が悪化するまで進行したメンズR1では、ローカルナレッジを活かしたタジ・バロウ(AUS)を始め、開幕戦から2連勝でカレントリーダーのウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS・写真最上部・下)、初日のハイエストスコア並びにハイエストヒートスコアをマークしたジュリアン・ウィルソン(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、「ブラジリアン・ストーム」のメイン、エイドリアーノ・デ・ソウザ、ガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラが揃ってR3へ。
開幕戦9位、第2戦13位で現在ランキング17位の五十嵐カノア(写真上)は序盤にレフトの波で6.67をスコア、後半にはライトの波でパワフルなカービングを重ねて7.87。トータル14.54で主導権を握っていましたが、ラスト2分を切ってから猛烈な追い上げを見せたイタロに逆転されてR2行きに...。
それでも内容は良く、次の可能性を感じさせるヒートでした。
コートニー同様、カレントリーダーだけが着用を許されるイエロージャージを着用して登場したウィルコはリプレイスメントのスチュアート・ケネディー(AUS)、ダスティ・ペイン(HAW)と対戦。
すでに終了したオーストラリアレッグの2戦、スナッパーロックス、ベルズでの勝利の大きな武器となったバックハンドでの深いボトムターンからのバーディカルなトップターン、往年のオッキーを彷彿させるようなパワフルで流れるようなサーフィンは健在。
序盤にスコアした7.17で主導権を握ると後半には5.50のバックアップスコアを重ね、トータル12.67でラウンドアップ。
「この6’1のボードは凄く良いんだけど、最後の波で壊れてしまったんだ。残念だけど、ヒートを通過してストークしている。他にボードはあるし、平気さ。バレルやオープンフェイスでの大きなカービングが可能なレフトの波も増えると良いね」
スナッパーロックス、ベルズで乗っていた赤いブラシの入ったサーフボードは壊してしまい、ライムグリーンのブラシが入ったサーフボードを乗っていたこの日のウィルコ。
そのサーフボードも壊してしまったとのことですが、3戦連続、R1を1位通過。
彼の勢いをもってすれば心配はなく、幸先良いスタートでこのイベントでも好成績が期待出来そうです。
風が悪くなってきた最終ヒートを制したのは昨年からの不調を引きずっているパーコことジョエル・パーキンソン(AUS・写真上)
二人のルーキー、コナー・コフィン(USA)、ライアン・カリナン(AUS)を相手に難しいセクションをベテランらしい上手い料理方法でスコアを重ね、R3行きを決めました。
「二人のルーキーとの対戦は本当に面白かった。勝利に対する執念がもの凄い彼らの餌食にならなくて良かったよ。初めてツアーを回る彼らの存在が刺激になっている。最初は5通りの戦略を考えていたんだけど、止めて逆のことをやってしまった。それだけこの場所はコンディションに適応するべき必要があるんだ」
メインの「Surfers Point」に加え、バレルオンリーの「The Box」、今年は昨年のフリーサーフィンで話題になったキラのような長いバレル「North Point」がサブ会場として登録され、一つの場所でもウネリ・風によって刻々と変化するコンディション。
マーガレットリバーを制するには、自然に対応する力や経験が重要であり、ベテラン勢にチャンスがあるイベントとも言えそうです。
ネクストコールは現地時間4月9日の7時00分(日本時間の同日8時00分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると9日〜10日にかけて南西〜南南西ウネリが続き、早い時間帯は風も合う見込みなので、コンテストは続行されそうです。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
⇒「コンテストリポート」一覧へ
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。