F+(エフプラス)コラム「ミック・ファニングのサーフィンが凄い理由」
2016-07-19 更新
Text by つのだゆき / Photo by snowy

ミック・ファニング、絶対的に強かった。
昨年のシャークアタックを受けて、ここでまたサーフすることさえ普通ならいやなのにね。ラウンドワンなんて最初のヒートだったし、どんだけ嫌だったか。

でもね、ホント仕事師って3文字で言っちゃうけど、その後ろにある彼のやってることってのは、ものすごいと思う。

ミックとフィリッペのヒートを見るとよくわかると思うけど、ミックってね、本当に止まらないんだよ。昔ターンはワンターンでつなげないとダメ、みたいな時代があったわけだけど、最近は大きくリスキーなマニューバーであれば、間にちょいとトリミング入れても、2ステージターンになってもかまわない感じになってる。それでもミック、みんなワンターンで持ってくし、しかもそれが止まらない、失速しない……どころか加速する。すげぇ、と思う。この試合はミック・ファニングがなぜハイポイントをもらえるのかがよく見えた試合だと思う。
あのターンばかりのサーフィンが退屈だという人はフィリッペのほうがすごいと思うのかもしれないけど、あれが退屈に見える人はサーフィンが何たるかをわかってない人だと思う。世の中に飛べる人はたくさんいるけど、ミックのスピード、フロー、パワーができる人はそういない。CTの中でもちょっとワンレベル違う感じだと思う。

ファイナルで見せたミックの9.93なんてさ、もう10点やっちゃいなさいよ、ってぐらいすごかった。ジョンジョンのサーフィンが間延びして見えちゃうぐらいだったからね。
あのパット見地味に見えるターンの影に、どれだけのテクニックが入ってるか。CT選手ですらそう簡単にマネはできないし、あのサーフィンを試合できちんとミスなくやってのけるために、いったいどれだけ練習してるのか。努力なくして栄光はないのよね、ほんと。努力すればご褒美は必ず来るし、ご褒美が来ないのは努力が足りないだけ、というシンプルなお話。


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