『Vans US Open of Surfing』ファイナルデイを戦う8名が決定!
2016-07-31 更新
カリフォルニア・ハンティントンビーチで開催中の『Vans US Open of Surfing』はいよいよ大詰め。
現地時間7月30日、ウィメンズCT第6戦はオフ。QS10,000のR5がサーフィンステージのメインとなり、初のマンオンマンに選手達も白熱。
波はイベントを通してのアベレージ、2-3ftレンジ(コシ〜ムネ)でセット数も少なく、少しのミスも許されない展開でした。
前日のR4でディフェンディングチャンピオンの大原洋人がクロスゲームの末に姿を消したものの、五十嵐カノア(写真最上部)はこの日も良いリズムをキープ。ピアに向かってのレフトに狙いを定め、バックハンドで7.17を含むトータル13.27をマークしてコナー・コフィン(USA)に圧勝。
昨年と同じSFまであと1ヒート。そして、ハンティントンローカルとして獲得したい「US Open」のタイトルまで残り3ヒートに迫ってきました。
「みんなは常に勝率や数字を重要視するけど、自分はどれだけヒートでスマートにサーフィン出来るかを考えているんだ。スコアが出る波を見極める判断力も重要さ。6ポイント以上出ないような波は見送り、コナーに乗らせるようにした。と言っても彼は素晴らしいサーファーだから、簡単にはいかなかったよ」
ルーキーイヤーのCTでもまずまずの成績を重ねているカノアの強みは、ヒートで自分が何をするべきかを十分に理解していること。
コメントの通り、スマートなサーフィンが世界のトップ34入りを実現させ、更に上に向かう可能性を秘めています。
「プレッシャーは受け入れている。他の場所ではないことだけど、家族や全ての友人のサポートがあるここでは、そのプレッシャーが逆に少しの自信に繋がるんだ。ここでは歩いているだけで、’おめでとう!’とか、’次のヒートも頑張って!’と声をかけられる。その応援が自分を奮い立たせる。そして、パフォーマンスのモチベーションになるのさ」
ヒートに向かう前、ピアの真下で集中力を高める時、彼の背後にはカメラを構えたメディアやファンが密集。
それも良い意味でプレッシャーを与えているようです。
前日にロマンティックなプロポーズを成功させ、大きな話題となったシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW・写真上・下)は、その幸せをパワーに変えてR5のハイエストスコアとなる8.67をマークしてCTルーキーのデイヴィー・キャッスル(AUS)を敗り、QFへ。
「トリッキーなコンディションだったよ。アウトのポジションがベストだったと思うけど、誰も乗らなかったし、最初は分からなかった。それよりも寒くてね。ウェットスーツを着てくれば良かったよ。この波では失敗する心配が無いし、リーシュは付けなかった。後半はデイヴィーと距離があったから、下手に小さな波に手を出さずに待ったんだ。そして、良い波が入り、自分の番だと思ったのさ」
波数が少なく、後半まで追い込まれていたシーバスでしたが、プライオリティを持ってじっくりと波を待ち、最後のセットで8.67をスコアして逆転に成功。
プライベートの幸運が仕事にも良い形で回り、まさに運に助けられたヒートでした。
その他、QF進出を決めたのは、ライアン・カリナン(AUS)、イーサン・ユーイング(AUS)、ビノ・ロペス(BRA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、「ブラジリアン・ストーム」の中心人物、エイドリアーノ・デ・ソウザ&フィリッペ・トレドも順調にラウンドアップ。
ベスト8のメンバーで優勝経験があるのは2014年のフィリッペのみ。
ファイナルデイも同じようなコンディションが予想されるため、フィリッペには有利と言えるでしょう。
QS10,000のR5の後はジュニアのSFとファイナル。
『Duct Tape Invitational』のファイナルが行われました。
ジュニアはSFで森友二と小林桂が同ヒートに重なり、森友二がファイナルに進んだ一方、小林桂は3位敗退。
ファイナルは森友二(写真上)がコンスタントにスコアを重ね、序盤から中盤はリードを握っていましたが、後半に逆転されてしまい、昨年の新井洋人と同じ3位でフィニッシュ。
優勝はルイス・ディアズ(CNY)、ガールズはキャロライン・マークス(USA)でした。
2015年の志田下『GoPro Junior Games』、千歳『Minami Boso Junior Pro』で共に3位。
今シーズンは結果を残していなかった森友二ですが、世界一のジュニアの頂点を決めるワールドジュニアチャンピオンシップ、通称WJCに出場し、今回の大舞台でのファイナル進出。
大きなトロフィーを手に入れ、シーズン後半に向けての自信にも繋がったと思います。
シングルフィン&ノーリーシュ、インターフェアはなく、’ジェントルマン・プライオリティ’を使用。ロングボード本来の楽しさを追求したフォーマットの『Duct Tape Invitational』はジョエル・チューダー、デヴィッド・ヌイーバを解説に迎えて和やかなムードで進行。
2013年から連覇を続けているジャスティン・クウィンタル(写真上)が安定したノーズライドとバリエーション豊かなターンで9ポイントを2本揃えて4年連続優勝。
トミー・ウィッツ、トロイ・マザーヘッド、タイラー・ウォーレンの順でファイナルを終えました。
ちなみに『Duct Tape Invitational』の優勝賞金は8,000USドル。
QS10,000の優勝賞金100,000USドルと2桁も違います。
優勝したジャスティンも、「ロングボードは金にならないよ...」とつぶやいていました。
ファイナルデイは現地時間7月31日の朝8時(日本時間8月1日0時)からスタート。
QS10,000、ウィメンズCT第6戦共にQFからファイナルまで行われる予定。
『Vans US Open of Surfing』公式サイト
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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