「モルジブトリップ2016年GW②」
2016-09-02 更新
スリランカ経由組の出発の日、成田空港で友人3人と合流したが、チケットを別々で購入していたので、座る席もバラバラだった。
みんな仲は良いのだが、独立心が強いのだ。
スリランカ航空は機内食も美味しいし、綺麗で映画も沢山見られる。サービスや笑顔も最高。
旅のスタートとも言える飛行機の快適さが、さらに気分を盛り上げてくれる。
スリランカに着いたら間違いなくウェルカムパーティが待っていると思い、僕は映画も早々に寝ることにした...。
スリランカのコロンボには予定通り夕方に到着。
空港に迎えに来てくれていたのはマッチ棒のような体形をしたローカルのデリックだった。
コロンボからヒッカドゥワは数年前までは5時間ほどの道のりだったのだが、新しく建設された高速道路のおかげで3時間もかからずに到着してしまった。
その昔、僕が最初に訪れた1999年は内線の最中であちこちで検問があり、サーファーの間ですっかり有名になった東海岸にあるアルガンベイも、その当時は立ち入りが制限されてベールに包まれたサーフポイントだった。
ローカルの噂や評判は「J-bay」ならぬ「A-bay」というほどだったが、道中のジャングルには武装した兵士がいる検問所を何か所も通らなければならない。
内戦間の戦士の表情が鬼のように険しかったのを思い出す。
彼らは生死をかけて国を守っている。ぼくらはその土地に波乗りに行っていたのだから、気持ちも複雑だった。
そして、2009年。
26年間続いた内戦はようやく終結した。
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ヒッカドゥワでは懐かしい面々が迎えてくれた。
そこから夜中の2時位までパーティ会場をハシゴして、記憶がなくなるくらい遊んでやっとの思いで部屋に着くと倒れるようにベッドに横たわった...。
翌朝ビーチに出かけると素晴らしい波がブレイクしていた。
3月終わりにモンスーンが始まると、サイドショアが強くなり、海面が狂ったように荒れるようになる。
そしてサーファー達は300km離れた南東部にあるアルガンベイに移動する。
しかし、南西部でも、その風が嘘のようにおさまり、海面が安定して波が良くなる事があるのを僕は忘れていなかった。
それも大体GWの時期。ローカル以外サーファーはほとんどいないのだ。
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ビーチのレストランでスリランカティーを飲みながら波を見ていると、顔なじみのローカル達がニコニコしながら集まりだした。
あの頃、少年だった彼らも今は家庭を持っている。その内の数人は日本人と結婚して数年間日本で働いて貯めたお金を持ち帰り、事業を起こしている。
「ハルさん、モルジブに行くのをやめてずっとココで波乗りしていったらいいじゃん」と使い慣れた日本語で話しかけてくる。今でも家族のように迎え入れてくれる温かい言葉にジーンとくる...。
すでに太陽が高く登り始め、風が少し吹き始めてきた。
昨日のパーティの疲れが残っていて海にすっとんで入りたいという気も起こらず、「明日からモルジブボートだから今日はやめておこう」とサーファーらしからぬ言葉を口にしてしまった。
海に入るのをやめて出発までゆるい時間を過ごすことにした。
スリランカの観光資源は凄い。
そして、人懐っこい国民性、サーフィンのディスティネーションとしてだけでなく、みんなに行ってもらいたい国だ。
さて、次回はいよいよモルジブのお話しです。
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