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青森県の六ヶ所村で起きていること

2007-07-20 更新
青森県の下北半島にある人口1万2千人ほどの小さな村「六ヶ所村」で「原子力発電所」で使用される燃料の「再処理工場」が建設され、今年の11月から本格稼働されることを御存知でしょうか?

まず初めに「原子力発電」の仕組みを簡単に説明すると、ウランを核分裂させ、その時に発生する熱で蒸気をつくり、タービンを回して発電します。発電のさいに水を多く使用するために、日本では海水を使える海の側に「原子力発電所」が建設されることが多いのです。

「原子力発電」は、他の発電方法と比べて効率が良くコストが安いのですが、燃料となる「ウラン」は資源が限られているため、今回の「再処理工場」の稼働が必要になったのです。

「再処理工場」では、使用済みの燃料を化学処理してプルトニウムを取り出します。それを再び利用するのです。問題点は、再処理の行程で多大な放射能物質が工場から排出されるということ。また、プルトニウムは核兵器における主要な物質なので、テロの標的になる可能性も否定は出来ません。

日本では茨城県の東海村にも「再処理工場」がありましたが、1999年の9月に臨界事故が発生。2名の死者と数百名の被爆者が出て再生事業は廃止されています。つまり、すでに危険な事故例が過去にもあったということです。

この六ヶ所村の「再処理工場」からは、わずか1日で日本中の原子力発電所が1年間で出すのとほぼ同量の放射能が排出されるといわれてます。国の厳重な安全規制によってチェックされていると公表されていますが、今までの原発による事故の対処方法などから判断すると、本当に安全かどうかに疑問が残るところです。

今回の六ヶ所村の「再処理工場」の建設。そして、稼働に対しては国際環境保護団体の「グリーンピース・ジャパン」や、アーティストの坂本龍一さんを中心とした『STOP ROKKASHO』などの団体。その他にも多くの人が反対運動をしていますが、すでに国の大きな事業となっているため、そう簡単には止めることが出来ません。

本格的な稼働が始まる今年の11月に向けて、もっと大きな反対運動が始まると思いますが、まず私たちがやらなければいけないことは、無駄な電気を使用しないように心掛けることだと思います。

需要が減れば、供給も減ります。そもそも「再処理工場」が必要になったのは、私たちの消費する電力が多いからです。国の方針や予算の使い方もありますが、根本的には電力が足りないから、今回のような計画が進んだと考えた方が良いかもしれません。

最後に、この青森県の小さな村で起きていることは決して他人事ではありません。
六ヶ所村の空はあなたが住んでいる街にもつながっているし、六ヶ所村の海はあなたがサーフィンするポイントにもつながっているからです。
参考までに、海外の同じような「再処理工場」の周辺では海洋汚染が深刻になっており、例えばイギリスの「セラフィールド再処理工場」に面しているアイリッシュ海では、他の海と比べて70倍の放射能濃度があることがわかり、遠い北極海まで放射能物質が検出されているとのことです。

すでに「六ヶ所村」の「再処理工場」では試験運転が初められており、放射能物質が工場から排出されています。大気にも、海にも。

あなたも青森の小さな村「六ヶ所村」で起きていることに、是非興味を持ってみて下さい。