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『Volcom Pipe Pro』はダークホースが制した!

2017-02-10 更新
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PHOTO:© WSL/Heff

五十嵐カノアの優勝で幕を明けた2017年のQS。
すでにオーストラリアレッグがローグレードからスタートしており、橋本恋が優勝するなど日本人選手の活躍が目立っています。
その一方、ハワイではレイトシーズンのノースショアで毎年パイプマスターズと人気を二分する『Volcom Pipe Pro』が開催され、現地時間2月9日に終了。
今年もケリー・スレーター(USA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)などのスター選手が揃い、長いウェイティングピリオドを設けて素晴らしいコンディションに恵まれていました。

2010年からの7年間で優勝したのは、ケリー、ジョン・ジョン、JOBことジェイミー・オブライエン(HAW)の3名のみという特有の今イベント。
ジョン・ジョンが4度、ケリーが2度、JOBが1度。
今年はJOB、ケリーが早いラウンドで敗れ、ジョン・ジョンまでもがSFで敗退してしまい、ダークホースのソリ・ベイリー(AUS・写真下)が優勝と誰もが予想していなかった波乱の展開でした。

「間違いなく、自分のキャリア最大の勝利だね。昨年は厳しい戦いがいくつかあったけど、敗退から学ぶものもあり、ここでは冷静に戦うことが出来たと思う。落ち着いて良い波だけを選び、最後まで上手く出来た。夢が叶い、自分の望む場所に一歩近づいたよ」

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PHOTO:© WSL/Saguibo

SFではリズムを崩したジョン・ジョンを尻目に8.17のハイスコアして1位通過でファイナルに進んだソリ。
エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、グリフィン・コーラピント(USA)、ブルース・アイアンズ(HAW)とのファイナルではスロースタートとなり、ヒート途中にはブルースと共にリーシュが切れるアクシデントで一度ビーチに上がるという苦戦を強いられていましたが、後半にバックドアでダブルバレルをメイクして7.33、更に5.93を重ねてトータル13.26でQSの初優勝を決めました。

「信じられないね。素晴らしいことが起きたってことは理解しているし、凄い良い波にも乗ることが出来た。本当に本当にストークしているんだ」

2015年までのジュニア時代を毎年上位で占め、QSに本格参戦しているソリ。
オーストラリア有数のサーフタウン、バイロンベイから少し南下した「Suffolk Park」という小さな街で育った彼が一気に世界中のサーフメディアから注目された一日でした。

ちなみにソリは「OAKLEY」主催の賞金2万ドルがかかった一般投票で決める映像コンテスト『Battle Clips』のファイナリストにも残っています。
他にもジャック・ロビンソンなどが迫力あるクリップを公開しているので、興味がある方はチェックしてみては?

www.oakleybattleclips.com

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PHOTO:© WSL/Heff

マクアカイ・ロスマン(HAW)がパーフェクト10。ファイナルの常連、ブルースが兄アンディが愛した日章旗がボトムに描かれたボードでスタイリッシュにパイプラインをメイク。その他にも驚くべきバレルライドの連続でハイスコアが量産された今イベント。
ソリに続く2位に入ったエイドリアーノ(写真上)もR3でリスキーなドロップからバックドアのディープなバレルをくぐり抜け、9.50をマーク。今年のショーの立役者になっていました。

「自分にとって今冬最高の波だった。本当に気分が良いね。あの一本を乗っただけでも何か特別なものを得た感じがするし、最高のコンテストだったよ。ここには3ヶ月滞在している。チャレンジングで、良い波を掴むのは難しいんだ。3ヶ月間、今回のような波を待ち続けていたのさ」

数年前にJOBの家の門を叩いて彼のアドバイスの元でトレーニングを重ね、2015年にはパイプマスターの栄冠を手に入れたエイドリアーノ。その年はワールドタイトルも同時に獲得。
2016年はチャンピオンのプレッシャーなどで良い結果を残せず、パイプマスターズでも早々と敗退していましたが、今回の彼のアプローチを見ると今年はブラジリアン・ストームが再び勢力を増す可能性もありそうです。

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PHOTO:© WSL/Donahue

1997年2月13日、フェイスで50ftはあったと言われているアウターリーフのアリゲーターロックで命を失ったトッド・チェイサーに敬意を表した「Todd Chesser Hard Charger Award」は、R2でJOB、R3でケリーを倒した19歳のセス・モニーツ(HAW・写真上)が受賞。
セスを始め、モニーツ兄弟の活躍は年々目立っており、受賞式の時も彼の名が呼ばれると会場は大いに盛り上がっていました。

「この舞台でトッド・チェイサーの賞を受賞するなんて、本当に驚いている。子供の頃から彼のことは聞いているよ。彼に会ったことはないけど、素晴らしく謙虚な人。そして、ここでチャージしていたってね。この受賞を大変光栄だと思っている」

パイプラインの目の前に家を持つ「Volcom」は地域社会の支援者でもあり、表彰式では「Boys & Girls Club」に6万ドル、「Sion Memorial Fund」に1万6千ドルの小切手を受け渡していました。

なお、オーストラリアレッグはシドニーから車で約3時間北上したブーメランビーチでQS1,000『Komunity Project Great Lakes Pro』が開催中。
大原洋人と黒川日菜子がQF進出を決めています。

『Volcom Pipe Pro』結果
1位 ソリ・ベイリー(AUS)
2位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
3位 グリフィン・コーラピント(USA)
4位 ブルース・アイアンズ(HAW)

WSL公式サイト

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