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ノースショアの”ププケア・パウマル”が恒久保全

2007-08-10 更新
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この話は1980年代までさかのぼります。日本経済がバブル真っ盛りの頃、日本の大手ゼネコン大林組が「奇跡の7マイル」と呼ばれるオアフ島のノースショアを見下ろす高台の土地1129エーカー(甲子園球場の約115個分)、「ププケア・パウマル」を購入。大規模な住宅開発を計画していました。
開発が進めば、水質汚染など環境に与える影響も大きくなります。当然、地元住民を中心とした反対運動が始まり、計画は延期となりました。

これでこの問題は無事に終わったように見えましたが、経済事情の変化や経営方針の転換により、2002年に大林組が「ププケア・パウマル」を市場に売り出すことに・・・。それを買い戻すために地元住民が結集し、NSCLT(ノースショア・コミュニティ・ランド・トラスト)と、TPL(トラスト・フォー・パブリック・ランド)という2つの団体が中心となって買戻しの準備を進め、寄付を集めて土地を買収し、恒久的に保全することを提案。

この問題には連邦政府やハワイ州なども協力をし、2005年には700万ドルの寄付が集まり、必要な額は残り100万ドルまでに達します。そして、2005年8月には、SAVEププケア「最後の100万ドル募金キャンペーン」がスタート。全世界にいるハワイを愛する人達やサーファーにメッセージが発信されたのです。

このキャンペーンには、ジャック・ジョンソンやケリー・スレーターなどもボランティア参加。特にジャック・ジョンソンは、この地を守るため、大林組に直接訪問をして交渉したそうです。その交渉の際に重要な役目をし、キャンペーンの日本の窓口となっていたのが、「サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン」でした。

そして、話合いの末、他にもこの土地の買収に名乗りを上げていた買い手がいたにもかかわらず、2006年にTPLと大林組は795万ドルの売買契約を交わしたのです。更に2007年6月27日、NSCLTとTPLは、この「ププケア・パウマル」を恒久的に保全したことを発表。20年以上の歳月を経て、やっとこの土地の権利がハワイアンの元に戻ったのです。

「ププケア・パウマル」は、天然資源の保護と公共利益のため、ホノルル市とハワイ州がそれぞれの区画を所有することになります。これで未来の「ププケア・パウマル」は自然の姿を維持することが可能になり、今後は地域のために有効的な使われ方がされるそうです。

なお、SAVEププケア「最後の100万ドル募金キャンペーン」では、日本からも「サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン」を通して多くの募金が集まり、総額は5,650USドル(約65万円)という報告が入っています。今回の「ププケア・パウマル」の保全活動、SFJの活動の話などは、インターネットラジオで聞くことが出来るので、興味がある方は是非チェックしてみて下さい。

http://www.blue-radio.com/(PC用)
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