『Drug Aware Margaret River Pro』4日目 モンスタースウェル到来!
2017-04-01 更新
WA(ウェスタンオーストラリア)のマーガレットリバーで開催中のCT第2戦『Drug Aware Margaret River Pro』はクライマックスに向けて足早に進行。
現地時間4月1日、期間中最大の南南西ウネリが入ったメイン会場の「Surfers Point」でメンズのR3から再開、R4まで進行してQFを戦う8名の内、4名が決定。
朝方に行われたWSLコミッショナーのキーレン・ペローのコールによるとバレルオンリーの「The Box」はコンスタントではなく、「Surfers Point」を舞台に選び、サイズは12-15ft。
オフショアで整ったオープンフェイスの巨大な波は、マーガレットリバーでは過去最大。BWT(ビッグウェーブツアー)が行われても不思議ではないほどで、世界のトップ34でさえ、もはやジェットスキーのアシストなしではゲッティングアウトが難しい状態。
ヒート中にモンスターセットが入った時、ジュリアン・ウィルソンがドルフィン、そのまま波に飲み込まれてリーシュコードが切れてしまい四苦八苦したと言えば、そのパワーが分かると思います。
そんなエキサイティングな一日を最も楽しみ、ハイスコアを量産したのは2016年のワールドチャンピオン、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW・写真最上部・上)でした。
ローカルトライアルから勝ち上がってきたジェイコブ・ウィルコック(AUS)とのR3では、まるでホームのノースショア、ハレイワやサンセットでサーフィンしているかのように大きなマニューバーを描き、9ポイント台を2本、トータル19.27のハイエストヒートスコアでジェイコブをコンビネーションに追い込んで圧勝。
更に3人ヒートのR4ではコナー・コフィン(USA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)を相手にまたしても9ポイント台を2本揃える勢い。
R3の後半からは風が強まってバンピーなコンディションに変化したのですが、ジョン・ジョンにとって大きな問題では無く、圧巻のレールワークでこの日のトップスコアを独占していました。
「本当に面白かった。思い切り楽しんで最高の気分さ。ここはワイルドでパワフルなところが、ホームのハワイの波にそっくりなんだ。’この広い海は大きな遊び場さ’タイトルを獲得してから、もっとリラックスして戦えるようになったと今日確信したね」
ジョン・ジョンは「The Box」でのフリーサーフィンの映像も話題になっており、’ワイルド・ウェスト’とも称されるこの土地を満喫しているようです。
アベレージサイズの「Surfers Point」であればスタンスの違いがハンデにはなりませんが、この日のコンディションは特別で、R4に残った12名の内、グーフィーフッターはオーウェン・ライト(HAW・写真上)のみ。
ライトメインの波でフロントサイドとなるレギュラーフッターが有利だったと言えます。
同じグーフィーで経験も浅いルーキーのイアン・ゴウベイア(BRA)とのR3を勝ち上がったオーウェンは、R4でジャック・フリーストーン(AUS)、ジュリアンと対戦。
二人のレギュラーフッターを相手に9.17を含む、トータル17.44でラウンドアップ。
「ジャックと初めてのヒートは楽しかった。彼のルーキーイヤーになった昨年は自分がいなかったからね。ジャックは調子が良さそうだったから、勝つために全力を尽くしたよ。R4は今のところ自分のベストヒート。この勢いを持続したい」
開幕戦で奇跡的なカムバックを果たしてイエロージャージを手に入れたオーウェンは巨大な波にもひるまず、一番のセットを狙って果敢にチャージ。安定感もあり、マーガレットリバーでは数少ないグーフィーフッターのチャンピオンになる可能性も十分にありそうです。
夕暮れとなったR4の後半も残されたQF直行のチケットを求めて激しいバトルが繰り広げられ、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA・写真上)とコロヘ・アンディーノ(USA)が手に入れることに。
ディフェンディングチャンピオンのシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)、ジョーディ・スミス(ZAF)を相手にビッグマニューバーで勝利したエイドリアーノは、「今日は本当に疲れたよ。大仕事をこなしたね。今朝、’The Box’でフリーサーフィンをした後、メインブレイクの巨大な波で2ヒート。’ビッグデー’だった。イベント中にこんな凄い波でサーフィンするのは最高さ。だから、マーガレットリバーに来るのは大好きなんだ。過去に優勝経験もあるし、今年も勝ちたいね」とコメント。
波に恵まれた2015年にファイナルでジョン・ジョンを倒し、今イベントを制してワールドタイトルも獲得したエイドリアーノにとってマーガレットリバーは特別な場所。
R3でフィニッシュまでメイクした時に見せた勝利に対する執念。波とのリズムも合っており、他の選手にとって怖い存在と言えるでしょう。
開幕戦でQF進出の5位とルーキーでは最高の成績を残したコナー・オレアリー(AUS)を始め、ケリー・スレーター(USA)、五十嵐カノア(USA・写真上)などはR3で姿を消しています。
ネクストコールは現地時間4月2日の7時00分(日本時間の同日8時00分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南南西ウネリはピークを過ぎる予報。
週明けは一気にサイズダウンすることが予想されているため、2日がファイナルデイ、時間が足りない場合は週の中盤まで待つことになりそう。
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