『Drug Aware Margaret River Pro』R2もあの危険な波で進行!
2015-04-17 更新

現地時間4月15日から開幕した『2015年WSL Samsung Galaxy Championship Tour』の第3戦『Drug Aware Margaret River Pro』は2日続けてオン!
初日に続いて特大の南西ウネリが入っていたマーガレットリバー。
R1の7ヒートが行なわれた底掘れするバレルオンリーのブレイク、「The Box」がR2でもメインステージとなり、世界トップのサーフィンレースに相応しいエキサイティングな戦いが繰り広げられていました。
オープニングヒートではワイルドカードのジェイ・デイヴィス(AUS・写真最上部)がローカルナレッジを充分に活かし、後半に素晴らしいバレルライドを披露。8.50をスコアしてトータル15.17で昨年のワールドチャンピオン、ガブリエル・メディナ(BRA)を敗ってR3へ。
「とても嬉しいよ。今日の西オーストラリアは良い天候だし、憧れの選手との対戦。昨年、ガブリエルがワールドタイトルを獲得する場面を見ていたから、世界のベストウェーブの一つであるこの場所で対戦するチャンスに恵まれて興奮したさ。ここでは良くサーフィンするんだ。だから、今後のラウンドもそれが活かせればいいね」とガブリエルを倒したジェイは嬉しそうに話していました。
昨年は3度の優勝に加え、コンスタントに上位に食い込んでいたガブリエルでしたが、今年は開幕戦で13位。
そして、今回は2013年のポルトガル戦以来の25位でフィニッシュと明らかにスランプに陥っています。
追う立場から追われる立場になって味わう苦悩。今年は試練のシーズンになりそうです。

ガブリエルの不調とは対照的に今年のブラジリアンの中で最もコンスタントな成績を重ねているエイドリアーノ・デ・ソウザ(写真上)はガブリエルの次のヒートに登場。
アレホ・ムニーツとのブラジリアン対決。余計な駆け引きは必要ない状況でエアードロップから着地、バレルイン、難しい出口もメイクして9.80をスコア。このライディングには10ポイントを出したジャッジもいたほどで、ライブ中継の最中も何度もリピートされ、MCのポッツも絶賛していました。
「アレホと二人で出来るだけディープな位置で待つことにしたんだ。最後の難しいセクションを含め、全てをスマートにこなすことを考えた。適切なタイミングで適切な場所にいる必要があったのさ。自分の3倍の高さはあるような危険な波をメイク出来て本当にハッピーだよ。但し、友人のアレホとの対戦だったから、100%喜ぶことは出来ない。このイベントで彼が上手くやる場面を見たかったね」
1週間前に終了したベルズでは優勝したミック・ファニング(AUS)と同スコアながら、カウントバック方式で負けてしまったエイドリアーノ。逆にそれが今イベントにかける闘志として良い方向に作用している印象。
’ブラジリアン・ストーム(活躍)’のリーダーとして今後のラウンドも活躍が期待出来そうです。

昨年のミッチ・クルーズ(AUS)、ディオン・アトキンソン(AUS)然り、ここ数年はルーキーの活躍の場が少なく、僅か1シーズンでツアーから脱落する選手も...。
今シーズン、ニュージーランド出身の選手としては2001年のマズ・クイーンに続く二人目となるリカルド・クリスティ(NZL・写真上)も開幕から2戦続けて25位とワールドツアーの洗礼を受けていましたが、この日20歳になったばかりのフィリッペ・トレド(BRA)とのH4でクロスゲームの末にようやく嬉しい初勝利を得ることが出来ました。
「まるで優勝した気分さ。自分にとって厳しいシーズンのスタートになっているし、昨日はこの強烈な波に気がおかしくなりそうだった。どこで波を待てば良いかも分からない状況だったけど、今日は少し理解することが出来た。ジョン・ジョンや今朝のジョシュ・カーのテイクオフを見て学んだよ」
開幕戦前に行なわれたインタビューでも分かる通り、勝ち負けよりもシンプルに世界トップの選手と戦うことを楽しんでいるようなリカルド。
ワールドツアーで初勝利を決めた瞬間。見守っていたキュートな彼女もとても嬉しそうでした。
NZ二人目のWCTサーファーとは?
ちなみにリカルドによるとニュージーランドにも「The Box」に似たような波質のポイントがあるそうです。

’レギュラー版のタヒチ・チョープー’とも表現出来る「The Box」はバックサイドとなるグーフィーフッターには不利に見えますが、R1で9.57のハイエストスコアをマークしたエイドリアン・バッカン(AUS)に続き、R2ではオーウェン・ライト(AUS・写真上)が驚異的なドロップからグラブレールでバレルをメイクして今イベント初のパーフェクト10!
ダスティ・ペイン(HAW)をコンビネーションに追い込んでR3へ。
「ここでサーフィンするのは今回が初めてなんだ。あの波(10ポイント)は入ってきたセットに乗っただけ。それしか覚えていない。’もっと乗りたい〜’って感じ。こんな波は大好きだよ。自分が待っていた場所が完璧だった。後は波が全てをしてくれたのさ」
「The Box」は割れる場所が決まっているためにスペアボードを持つボードキャリーはチャンネルで待っているのですが、オーウェンの場合は妹のタイラーがその役目を果たしていました。
まだR1も始まっていないウィメンズは週明けに落ち着いてからメインの「Surfers Point」で進行する予定ながら、ブレイクの近くで観戦することはタイラーにとって良い刺激になることでしょう。

その他にR2を勝ち上がったのは、ジョシュ・カー(AUS・写真上)、ナット・ヤング(USA)、グレン・ホール(IRL)、アダム・メリング(AUS)、ルーキーのイタロ・フェレイラ(BRA)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、カイ・オットン(AUS)
ホームの暖かい声援を浴びながらラインナップに向かったローカルヒーローのタジ・バロウも見事に次に繋げています。
ネクストコールは現地時間4月17日の7時00分(日本時間の同日8時00分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると弱まりながらも南西ウネリが続き、18日には更に大きな南南西ウネリが入る予報。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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